数字を使った声かけ3選|ASDの息子に伝わったわが家の工夫

ふたハ
ふたハ

もうすぐ終わりだよ!

ふたハ
ふたハ

ちゃんとやって!

ふたハ
ふたハ

静かにしてね!

わが家のASDの特性をもつ息子には、どれも響かなかった声かけです。

どうにか伝わってほしくて、毎日のように何度も言っていました。

それでも、遊びを切り上げられなかったり、こだわりをやめられなかったり…。

そして、だんだんと私の口調は強くなり、息子も負けじと強く反発して、かんしゃくにつながってしまうことが多かったです。

ふたハ
ふたハ

どうしたら、息子に届くんだろう?

そう悩んでいたとき、療育園での息子の様子がヒントになりました。

  • 息子が数字に興味をもっていること
  • 先生たちの数字を使った声かけに反応していること

その姿を見て、

ふたハ
ふたハ

数字なら伝わるかもしれない…

そこで家庭でも、数字を意識した声かけを取り入れてみることにしました。

この記事では、わが家のASDの息子に実際に効果があった、数字を使った声かけの工夫を具体例とともにご紹介します。

同じように悩んでいるママやパパのヒントになればうれしいです。

療育園で気づいた、ASD息子の数字への興味

息子が数字に興味を持っていると気づいたのは、3歳で療育園に通い始めてしばらくしてからでした。

親子通園だったため、私も毎日一緒に通っていました。

家では家事に追われてしまい、息子の様子をじっくり見る余裕がなかったのですが…。

療育園では、その分しっかり向き合うことができました。

ふたハ
ふたハ

息子の特性や興味を、たくさん知ることができました!

数字への興味に気づいた具体的な場面

療育園に通い始めたころの息子は、10台ほどの車のおもちゃが入ったかごを持ってきて、よく遊んでいました。

車をきれいに一列に並べ、いろいろな角度からじっと眺める。

最初はそれだけを楽しんでいるように見えました。

ところが次第に、

ぱんタ
ぱんタ

いち…に…さん…

並べた車を数えるようになっていきました。

また、絵本の時間にも、同じような変化がありました。

活動の待ち時間に絵本を読む場面が何度かありましたが、息子はあまり興味を示しませんでした。

「読もうよ」と声をかけても、すぐに席を立って離れてしまうことが多かったです。

そんなある日、珍しく自分から絵本を選んで持ってきたことがありました。

ついに物語に興味を持ってくれたのかな…とうれしく思ったのですが。

息子が注目していたのは、ページの端に書かれた数字でした。

ぱんタ
ぱんタ

いち…に…さん…

ページをめくるたびに、指でなぞりながら数字を読み上げていく息子。

正直なところ、親としては物語を楽しんでほしい気もちもありました。

でも、そのときは息子の興味を大切にしようと、ページ番号を一緒に読み続けました。

他にも、工作の時間には絵ではなく数字をびっしりと書いたり、園庭の砂で何度も数字を書く姿も見られました。

息子に伝わりやすかった数字入りの指示

もうひとつ印象的だったのが、先生方の声かけです。

  • 「あと5分でおしまいね」
  • 「今日は長い針が6まで遊べるよ」

毎日のように、自然に数字を使いながら伝えていました。

また、手洗い場にはイラスト付きの手順書が貼られており、

  • 手をぬらす
  • せっけんをつける
  • よくあわだてる

というように、工程が数字で整理されていました。

息子はその数字を一つひとつ指さしながら、声に出して数え、順番どおりに進めていました。

その様子を見て、息子にとっては「数字」を使った声かけの方が、ぐっと理解しやすくなると実感しました。

工夫① 数字で見通しを伝えて、切り替えをスムーズにする

ASDの息子への声かけで、特に難しかったのが切り替えでした。

  • 好きな遊びを途中でやめる
  • 今していることを中断して、次の行動にうつる

それだけで、強い抵抗やかんしゃくにつながることもありました。

けれど、終わりをあいまいな言葉で伝えるのをやめ、数字で具体的に示すようにしてから、少しずつ変化が見られるようになりました。

数字で、あとどれくらいかを伝えることで、息子の中に見通しが生まれ、切り替えがスムーズにいく場面が増えていきました。

回数を決めて、こだわりに区切りをつける

息子には、ドアを何度も開け閉めしたり、電気のスイッチを繰り返し押したりと、やめられないこだわりがたくさんありました。

以前の私は、

ふたハ
ふたハ

もう終わり!

突然こだわりを止めてしまって、かんしゃくになることも多かったです。

そこで、

  • 「3回ならやっていいよ」
  • 「あと1回でおしまいだよ」

こだわりを始める前にあらかじめ回数を決めたり、終わる少し前に残りの回数を具体的に伝えたりと、声かけの方法を変えてみました。

すると、少しずつ私の言葉に耳を傾けてくれるようになり、こだわり行動を以前よりも少ない回数で終えられる場面が増えていきました。

そして、

ぱんタ
ぱんタ

これで、おしまい!

息子が自分から区切りをつける姿も見られるようになりました。

ご飯・お風呂に誘っても来ないときは、カウントダウンでひきつける

何度呼んでも息子が来ないとき。

以前の私は思わず、

ふたハ
ふたハ

早く来て!

と何度も言ってしまっていました。

でも、カウントダウンを取り入れたことで、息子に私の声かけが届くようになりました。

ふたハ
ふたハ

あと10数えるまでに来てね!

ふたハ
ふたハ

10、9、8、7、6…


数字が減っていくことで、終わりが近づいていることがわかり、カウントダウンの途中で慌てて自分から動き出すようになりました。

また、カウントダウンの声かけのおかげで、私が感情に任せて注意することも減ったように感じます。

「もうすぐ」ではなく、時間を数字で伝える

ふたハ
ふたハ

もうすぐ終わりね!

この声かけは、息子にはほとんど伝わりませんでした。

「もうすぐ」は人によって感覚が違うとてもあいまいな言葉だからです。

そこで、

  • 「あと5分でおしまいね」
  • 「6時まで遊べるよ」
  • 「8時半になったら幼稚園に行くよ」

具体的な数字で伝えるようにしました。

さらに、時計やタイマーを使って視覚的にも確認できるようにすると、より効果的でした。

わが家の視覚支援については、こちらの記事で詳しくまとめています//

▶ 家庭でできる視覚支援|ASDの息子に効果があった5つの工夫

ASDの特性として、見通しが立たないことは大きな不安につながりやすいです。

そのため、時間の見通しが持てる声かけに変えることで、急に終わらされた感覚が減り、安心につながったのだと思います。

工夫② やることを数字で整理して伝える

ASDの息子は、あいまいな指示や一度にたくさんの指示を出されることがとても苦手でした。

たとえば、

ふたハ
ふたハ

おやつを食べる前に、かばんを片づけて、手を洗ってね!

私にとっては何気ない日常の声かけでも、息子にとっては、情報が多すぎたようです。

この一言だけでは理解できず、聞いてくれなかったり、どう動けばいいのかわからずフリーズしてしまうこともありました。

そこでわが家が意識したのが、やることを数字で整理して伝えることでした。

なぜ、あいまいな指示は入りにくいのか?

複数の工程がある指示は、頭の中で順番を整理する必要があります。

しかし、ASDの特性のある息子には、

  • 目の前にないことを想像するのが苦手
  • 抽象的な言い方では理解しにくい
  • 空気を読むのが苦手
  • 暗黙のルールが分かりにくい

このように、想像や空想することの苦手さがあります。

さらに息子は言葉の遅れもあったため、そもそも単語そのものの意味を十分に理解できていないこともありました。

そのため、言葉だけを聞いて頭の中で場面を思い浮かべることは、より難しかったのだと思います。

数字で手順化した帰宅後ルーティン|わが家の具体例

そこでわが家では、工程をできるだけ細かく分けて、順番に整理しました。

たとえば、幼稚園から帰宅後の流れを手順にすると…

  • カバン・帽子・水筒をカゴに入れる
  • トイレに行く
  • 手を洗う
  • 手をふく
  • おやつを食べる

わが家の場合はこのようになります。

そして、数字をつけて息子に伝えるようにしました。

ふたハ
ふたハ

1番は、カバンと帽子と水筒をカゴに入れます!

ふたハ
ふたハ

2番は、トイレに行きます!

番号をつけただけで、指示がぐっと入りやすくなりました。

息子の中にはすでに数字の順番の概念があったので、

ぱんタ
ぱんタ

今は2ばん…

ぱんタ
ぱんタ

5ばんまでいけばおやつ♪

頭の中で整理しやすくなったと思います。


この方法は、朝の支度や歯みがきなどにも応用しました。

工程を5~10個ほどに分け、番号をふる。

それだけで、スムーズさが大きく変わりました。

ふたハ
ふたハ

手順書にイラストや写真を添えるなど、視覚支援を組み合わせると、さらに伝わりやすいです◎

工夫③ 抽象的な表現を数字に置き換える

ふたハ
ふたハ

病院では静かにするよ!

ふたハ
ふたハ

強くさわると、こわれちゃうよ!

ふたハ
ふたハ

ママ、怒ってるよ!

こうした声かけも、ASDの息子にはほとんど届いていませんでした。

息子にとって難しかったのは、「どのくらい?」が分からないこと。

ちょうどいい声の大きさも、ちょうどいい力加減も、言葉だけではイメージできませんでした。

そこでわが家では、あいまいな表現をできるだけ数字に置き換えるようにしました。

すると、私と息子との間に共通の基準ができ、ぐっと理解しやすくなりました。

声の大きさを数字で表す

場面によって声の大きさを変えることが難しかった息子。

ふたハ
ふたハ

声が大きいよ!

ふたハ
ふたハ

ここでは静かにね!

と伝えても、ピンときていない様子でした。

そこで、声の大きさを10段階で分けて息子と共有しました。

  • 0=話さない
  • 1~3=ひそひそ声
  • 4~6=ふつうの声
  • 7~9=大きな声
  • 10=叫び声

息子は10まで数えることが好きだったので、わが家は10段階にしましが、5段階あれば十分だと思います。

イラストにして壁に貼り、

ふたハ
ふたハ

これが1の声だよ。

実際に声に出して見せながら練習しました。

ふたハ
ふたハ

夜だから、今は1か2の声ね!

ふたハ
ふたハ

2階にいるママを呼ぶなら、8くらいかな?

このように、日常の中で繰り返し使いました。

すると、息子の方からも、

ぱんタ
ぱんタ

あー!!

ぱんタ
ぱんタ

…この声、大きい?

確認してくるように。

さらに、今は何番がいいでしょう?…とクイズのようにやりとりをしながら、いろんな場面に合わせて声の大きさを一緒に考えていきました。

力加減を数字で伝えてみる

姉との遊びの中で、強く叩いてしまったり、おもちゃを力いっぱい扱ってしまうこともありました。

ふたハ
ふたハ

強くたたくと痛いよ!

ふたハ
ふたハ

もっとやさしくしてね!

このような伝え方では、どのくらいの強さがいいのか息子には理解できませんでした。

そこで力の強さも10段階にして、伝えるようにしました。

  • 0=さわっていない
  • 1~3=やさしい・よわい
  • 4~6=ふつう
  • 7~9=つよい・いたい
  • 10=ケガをする・こわれる

イラストにして見せながら、

ふたハ
ふたハ

これが3の強さだよ!

実際にふれ合いながら確認していきました。

そして、

ふたハ
ふたハ

5の強さでたたいてみて!

ぱんタ
ぱんタ

このくらい?

ふたハ
ふたハ

今のは8くらいかな…

このように、息子と一緒に基準の強さを調整していきました。

目に見えない力加減も、数字にすることで伝わりやすくなりました。

怒りレベルを10段階で見える化

もうひとつ効果があったのが、感情の見える化です。

相手の表情や気もちを察することが苦手だった息子。

本当に危険なことをしたとき、声のトーンを変えるだけでは十分に伝わりませんでした。

そこで、怒りのレベルも10段階で表にしてホワイトボードに貼りました。

  • 1~3=ちょっとイライラ
  • 4~6=まあまあ怒っている
  • 7~9=とても怒っている
  • 10=かんかんに怒っている
ふたハ
ふたハ

ママは今、7レベルで怒っているよ!

すると息子も、

ぱんタ
ぱんタ

(ぼくは)9!

数字でどのくらい怒っているのかを表現して返してくれるようになりました。

目に見えない気もちを、数字で具体化することで、息子にとって理解しやすくなったように感じます。

まとめ|ASDっ子に合う、伝わる声かけを見つけよう!

ふたハ
ふたハ

どうして伝わらないんだろう…

そんなふうに悩んでいたわが家ですが、息子の好きな「数字」に目を向けたことが、大きなヒントになりました。

息子のように、数字が好きな子や数字に興味がある子にとっては、

  • 終わりを数字で示す
  • 順番を数字で整理する
  • あいまいな表現を数字に置き換える

いつもの声かけに数字を少し加えるだけで、届き方が大きく変わるかもしれません。

さらに、時計やタイマー、手順書などの視覚支援と組み合わせると、より見通しが持ちやすくなり、安心感につながります。

もちろん、すべてのお子さんにわが家のやり方が合うとは限りません。

それでも、お子さんが興味をもっているものの中には、きっと声かけのヒントがあると感じています。

もし、お子さんが数字に興味をもっているなら、ぜひ一度、数字を使った声かけを試してみてください。

小さな工夫の積み重ねで、おやこの毎日がより充実したものになりますように!

わが家で実際に取り入れて効果を感じた、視覚支援の具体例や使い方はこちらで紹介しています//

▶ 家庭でできる視覚支援|ASDの息子に効果があった5つの工夫

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