ASDの子の歯医者選び|感覚過敏の息子が通えるようになるまで

ASDの特性がある子どもにとって、歯医者はとてもハードルの高い場所です。

強いライト、キーンという機械音、口の中を触られる独特の感覚…。

大人でも苦手な人が多い環境の中で、感覚過敏や不安の強さがある子にとっては、歯医者はつらい体験になりがちです。

わが家のASDの息子も、歯医者デビューにつまずき、歯医者を強く嫌がる時期がありました。

ふたハ
ふたハ

歯医者選びを間違えた…

当時は深く考えずに歯医者を選んでしまい、後から大きく後悔しました。

それでも、歯医者を見直し、息子の特性に配慮してくれる歯医者に出会えたことで、少しずつ状況が好転していきました。

この記事では、ASDの息子が歯医者を嫌がっていた時期から、少しずつ通えるようになるまでの経験を通して、歯医者選びで大切なポイントをまとめました。

ASDのお子さんの歯医者選びに悩んでいるママやパパにとって、少しでもヒントや安心につながればうれしいです。

ASD息子の歯医者選びに失敗して気づいたこと

わが家のASDの息子が、初めて歯医者に行ったのは4歳の頃でした。

早いうちから少しずつ歯医者に慣れてほしいと思ったこと。

そして、歯磨きが苦手で日常的にしっかり磨けず、虫歯になっていないか定期的にみてもらいたくて通い始めました。

ちなみに、今息子が通っている歯医者は、2つ目です。

最初に選んだ歯医者は、結果的にASDの特性をもつ息子には合わない環境でした。

その結果、歯医者への苦手意識を強めてしまったように感じています。

ふたハ
ふたハ

もっと慎重に歯医者を選べばよかった…

歯医者でASDの息子が苦手なこと

息子が初めて歯医者に行った時の様子を見て、つらそうだと感じた場面がいくつかありました。

まず、感覚過敏による刺激の強さです。

診察台の上から照らされる強いライトや、器具の「キーン」という音は、息子にとって刺激が強すぎるようでした。

ライトを嫌がってじっと座っていられず、音が鳴るたびに警戒してソワソワしていました。

そして、口の中を触られることへの強い不安や抵抗もありました。

口を開け続けることができず、どうしても途中で閉じてしまい、診察が思うように進みませんでした。

さらに、先生の指示どおりに動くことが難しい面もありました。

「口をあけて!」

「危ないからじっとしていて!」

何度声をかけられても、息子はうまく対応できませんでした。

結果的に、私も先生に協力する形で息子の体を押さえたり、

ふたハ
ふたハ

ちゃんとして!

ふたハ
ふたハ

動かないで!

息子に注意することが増え、嫌な記憶として、強く残ってしまったように感じています。

ASDの息子には合わなかった歯医者の環境

最初に息子が通った歯医者は、もともと私自身が治療でお世話になっていた歯医者でした。

私にとっては、説明も丁寧で、治療や定期健診もしっかり行ってくれる、信頼できる歯医者です。

同じ歯医者の方が予約や通院の面でも都合がいいと思い、息子もお願いすることにしました。

その際、担当の先生には、発達障害や感覚過敏があることを事前に伝えていました。

大丈夫ですよ!…と言ってもらえ、初めはホッと安心したのを覚えています。

しかし、実際に診察を受けてみると、十分な配慮を受けることが難しいと感じました。

ライトの明るさは調整できず。

集中力が続かないため、

ふたハ
ふたハ

最低限でお願いします!

と伝えていても、しっかり進めようとする診察スタイルでした。

他の人に比べたら工程は少なめで時間も短くしてくれましたが、息子にとってはそれでも長く感じていたようです。

指示どおりに動けないことで、診察がかえって長引き、おやこ共に疲れ切ってしまう…。

ふたハ
ふたハ

毎回診察後はぐったりでした…

次第に歯医者に行くこと自体がつらい時間になっていきました。

わが家の歯医者選びの反省点

この経験を通して、歯医者選びでいくつか反省した点があります。

当時の私は、

ふたハ
ふたハ

親と一緒に通ったほうが負担が少ないだろう…

ふたハ
ふたハ

私にとっていい歯医者だから、きっと大丈夫!

少し軽く考えていました。

ASDの特性をもつ息子の立場に立って、寄り添えていなかったと感じます。

ふたハ
ふたハ

そのうち慣れるはず…

合わない環境だと感じながら、1年ほど通い続けてしまいました。

また、私が長く通っている歯医者だったので、やめたいと言い出しにくかった気持ちも正直ありました。

今ふり返ると、もっと早い段階で切り替え、息子に合った歯医者を探せばよかったと感じています。

実際に通ってみないと分からないことも多いからこそ、

  • 無理をさせず段階的に進めてもらえるか
  • 子どものペースを尊重してもらえるか

このような対応が可能かどうかを見極めて、「合わない」と感じたら無理に続けず切り替えることも大切だと思いました。

歯医者を変えるときは勇気がいりましたが、先生も理解してくれて、思っていたよりもすんなり切り替えることができました。

ふたハ
ふたハ

もっと早く行動すればよかったです…

ASDの息子に合った歯医者選びのポイント

歯医者を変えてみようと思ったきっかけは、息子が通っていた療育園で知り合ったママから、歯医者を紹介してもらったことでした。

同じ歯医者に他にもお子さんが何人か通っていて、どの子も嫌がらずに通えていると聞き、思い切って相談してみることにしました。

実際に通ってみると、ASDの息子にとって「通いやすい」と感じるポイントがたくさんありました。

待合室から診察室まで子どもが安心できる環境だった

まず、安心感につながったのは、歯医者全体のやわらかい雰囲気

待合室だけでなく診察室にも、おもちゃや絵本がたくさん置いてあり、子どもが過ごしやすい空間になっていました。

診察の直前までおもちゃで遊べるため、息子が苦手な待ち時間を最小限にできます。

そのおかげで、待つことによる不安や緊張が和らぎ、落ち着いた状態のまま診察に入ることができました。

さらに、おやこで来院している方が多く、子どもの声が多少出ても気にならない環境でとても助かりました。

また、先生やスタッフの方の温かくやさしい声かけも、歯医者が怖い場所だという息子のイメージを少しずつ和らげてくれているように感じました。

感覚過敏に配慮した歯医者の対応があった

そして、特にありがたかったのが、感覚過敏への具体的な配慮です。

ライトについては、苦手であることを伝えると、無理に使わず、消した状態で虫歯のチェックや歯磨きをしてくれました。

音が出る器具についても、いきなり使うのではなく、

  • 先に器具を見せてくれる
  • 音だけを聞かせてくれる

少しずつ慣れる工夫をしてくれました。

また、

  • 「今日はここまでにしましょうか」
  • 「無理そうなら、また次にしましょう」

先生の方から息子の様子を見て提案してくれるため、無理をさせずに済みます。

息子のペースを尊重してもらえることで、親子ともに安心して通えるようになりました。

ASDの息子に合っていた先生の声かけ

今の歯医者で、私自身もとても参考になっているのが、先生の声かけです。

診察の前には必ず、これから何をするのかを、息子に分かりやすく説明してくれます。

また、

ぱんタ
ぱんタ

20秒でやって!


息子が希望の時間を伝えると、その時間内で治療を終えてくれるよう配慮してくれます。

見通しを持てて、約束を守ってもらえる安心感が、息子の信頼につながっているように感じました。

さらに、「動かないで!」「ダメ!」といった否定的な声かけではなく、

「手はおひざです」

息子が動こうとした時に、短く具体的な言葉で伝えてくれます。

その声かけを聞くと、息子はハッとして、自分から手をひざに戻しています。

ふたハ
ふたハ

先生の指示は息子に入りやすいです!

おかげで、私が息子の体を押さえることは一度もなく、先生の声かけだけで、息子一人で座って診察を受けられるようになりました。

歯医者を変えて嫌がらずに行けるようになった息子

歯医者を変えたからといって、すぐにすべてがうまくいったわけではありません。

同じ年代の子と比べると、苦手なことは多く、集中できる時間も短いです。

それでも、以前のように強く嫌がったり、行く前から泣いてしまうことはなくなり、少しずつ歯医者に対するイメージが前向きなものに変わってきたように感じています。

歯医者を変えた直後のASD息子の反応

新しい歯医者に初めて行った日、息子は緊張した表情をしながらも、

ふたハ
ふたハ

新しいは歯医者は、おもちゃがいっぱいあって楽しいよ!

ふたハ
ふたハ

今日は短い時間で終わるから大丈夫だよ!

私の言葉を信じて、ついてきてくれました。

待合室に入ると、すぐにおもちゃに気づき、遊びながら順番を待つことができました。

いよいよ診察室に呼ばれ、診察台に座ると少しソワソワし始め、

ぱんタ
ぱんタ

ちょっとだけ!

ぱんタ
ぱんタ

すぐおわり!

早く終わらせたい気持ちを一生懸命伝えていました。

その様子を見て、先生は息子の気持ちを受け止めながら、

  • 今日はここまででおしまいにしようね
  • 座ってできたね

と声をかけてくれました。

全体でも1分かからないくらいの短い診察でしたが、息子の様子に合わせて進めてくれました。

そして、できたことをしっかり認めてもらえたことで、マイナスな印象を残さずに終えることができました。

ふたハ
ふたハ

歯医者どうだった?

ぱんタ
ぱんタ

…うん。

帰り道で、息子に感想を聞いてみましたが、はっきりした答えは返ってきませんでした。

でも、表情はとても穏やかでした。

「できた!」を重ねて歯医者への苦手意識が減っていった

通う回数を重ねるごとに、息子のできることが少しずつ増えていきました。

最初は、診察台に座って簡単に口の中をチェックするだけ。

2回目は、「20秒だけ」と息子が決めた時間、口を開けて虫歯チェック。

3回目には、虫歯チェックに加えて、歯磨きにも挑戦しました。

回を重ねるごとに、座っていられる時間や口を開けられる時間が少しずつ伸び、できる工程も増えています。

そのたびに先生やスタッフの方が、

  • 今日はここまでできたね
  • 前回よりも長く口を開けられたね

息子ができたところを見つけて声をかけてくれ、息子の中にも「できた」自信が積み重なっていったように感じます。

おやこ共に負担なく歯医者に通えるようになった今

現在は、4か月に1度のペースで歯医者に通っていますが、毎回落ち着いて診察を受けられています。

親の私は、ほとんど見守るだけでよくなり、気持ちの負担も大きく減りました。

  • 完璧にできなくても、できるところまでで大丈夫
  • 少しずつ、息子のペースで慣れていけばいい

そう思える歯医者に出会えたことで、おやこ共にストレスなく通えるようになったと感じています。

まとめ|発達に特性がある子の歯医者選びで大切なこと

わが家では、最初の歯医者選びがうまくいかず、どうすればいいのかたくさん悩みました。

でも、

  • 感覚過敏に配慮してくれる
  • 無理をさせず、少しずつ慣らしてくれる
  • できている部分を認めてくれ、安心できる声かけ

このような息子の特性に配慮してくれる歯医者に出会えたことで、無理なく通い続けられるようになりました。

発達に特性がある子の歯医者選びでは、一般的な評判や基準よりも、お子さんにに合った環境かどうかを大切にしてほしいです。

歯医者の環境に子どもを合わせるのではなく、子どもを主軸にして、環境を選ぶこと。

それだけで、おやこ共に負担が大きく減ります。

お子さんのペースを大切にしながら、少しでも安心して通える歯医者に出会えますように。

ふたハ
ふたハ

わが家の体験が、その一歩になればうれしいです!

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