3歳から療育園へ通い始めた息子。
少しずつできることが増え、

このまま順調に成長してほしい!
と願っていました。
しかし、4歳くらいの頃からコミュニケーションが減ったように感じ、悩みはつきませんでした。
友達はもちろん、先生や親の私ともあまり関わろうとせず、一人遊びばかりの息子。
以前は興味を持ったおもちゃに自分から近づいていたのに、「かして」と言わなくなり、人とのやり取りを避けるようになってしまいました。

療育園に通っているのに、どうして後退してしまったの?
そんな不安を抱えていましたが、
療育園の先生に話を聞き、息子の様子をよく見ていくうちに、後退したのではなく、人と関わる力が育ち始めた成長の過程だったことに気づきました。
この記事では、ASD息子が4歳頃に感じたコミュニケーションの変化や、療育園で教えてもらい家庭で実践した関わり方について、実体験をもとにまとめました。
療育園に通っているのに後退?4歳でコミュニケーションが減ったように感じた
3歳から療育園へ通い始めて約1年が経ったころ。
少しずつ活動に参加できるようになり、自分でできることも増えてきました。

療育園へ通ってよかった!
そんなふうに思える場面も増え、親子で積み重ねてきた1年間の成果がやっと実感できるようになってきました。
ところが、4歳を過ぎてから、これまでとは違う様子も見られるようになりました。
特に、人とのコミュニケーションが急に減ったように感じ、とても不安でした。
一人遊びが増え、人とのやり取りがほとんどなくなった
4歳になった息子は、一人遊びをする時間がさらに増えました。
自分の好きな遊びをひたすら続ける息子。
友達はもちろん、先生や私が遊びに入ろうとしても嫌がることが多く、
無理に近づこうとすると、おもちゃを投げてきたり、
遊んでいるおもちゃに少し触れただけでも、

ダメ!!
と怒るようになり、以前よりも周りを寄せ付けない様子が目立つようになりました。
そんな状況が続き、誰とも言葉を交わさないまま一日が終わる日もありました。

何のために療育園に通っているんだろう…
そんなことを考えながら、息子が一人で遊ぶ姿を隣で見守るしかできない時間は、私にとってとても長く感じられました。
自分から友達と関わろうとしなくなった
3歳頃の息子は、友達が遊んでいるおもちゃに興味を持つと、自分から輪の中へ入っていこうとする姿がありました。
もちろん、「貸して」や「入れて」と言葉で伝えることはできず、
相手の反応を気にせず近づいてしまうため、
思い通りにならないと怒ったり、手が出てしまったりすることもありました。
そのたびに私が間に入り、息子の気持ちを代弁しながら関わっていました。
ところが4歳頃になると、その姿がパッタリとなくなりました。
遊びたいおもちゃがあっても、自分から近づこうとせず、少し離れた場所でじっと見ているだけ。

一緒に「貸して」って言いに行こう!
と声をかけても、

(行か)ない!

イヤ!
と強く拒否するようになりました。
今ふり返ると、相手の反応を気にしたり、断られるかもしれないと考えたりできるようになった成長の一つだったのだと思います。
しかし当時の私は、友達と関わろうとしない息子の姿を見て、人とのコミュニケーションが後退してしまったように感じ、とても切なくなりました。
できていたことまで難しくなり、成長が止まったように感じた
また、コミュニケーションだけではなく、それまで少しずつできるようになっていたことまで、うまくいかなくなったように感じる時期でもありました。
例えば、
など、それまでは「やらないと気が済まない」ほどルーティンとして取り組めていたことでも、
ふざけたり先生の指示を聞かずに自分のやりたいことを優先したりする姿が目立つようになりました。

ふり出しに戻ってしまったのでは?
そんな思いが頭をよぎり、正直とても焦りました。
やっと息子に合った関わり方が分かってきたと思った矢先に、新しい課題が次々と出てきて、親として戸惑う毎日でした。

療育園へ通うと決めたことは、本当に息子にとってよかったのかな…
そんなふうに、自分の選択にまで自信が持てなくなっていきました。
後退ではなかった!療育園で気づいたコミュニケーションの変化
4歳頃の息子は、新たな課題が次々と出てきて、それまでできていたことまで難しくなったように感じることが増えました。
私には、コミュニケーションが後退してしまったように見え、不安でいっぱいでした。
しかし、療育園の先生は私とは違う視点で息子の様子を見ていました。
先生から教えてもらったのは、できなくなったのではなく、周りが見えるようになってきた成長であること。
当時の私は、できないことを気にしてばかりでしたが、
先生の話を聞いてからは、息子の小さな変化に目を向けられるようになりました。
ふり返ると、コミュニケーションが後退したように感じていた4歳頃は、人と関わるための土台が少しずつ育ち始めていた時期だったと思います。
周りの様子を観察するようになった
3歳頃の息子は、自分の好きな遊びに夢中で、周りの子どもたちの存在をほとんど気にしていませんでした。
しかし4歳頃になると、自由遊びの時間に友達がどんな遊びをしているのか、
少し離れた場所からじっと見つめることが増えてきました。
当時の私は、3歳の頃と比べて友達の輪へ入っていこうとしなくなった息子を見て、

やっぱり人に興味が持てないのかな…
と、悲しい気持ちになることもありました。
そんな私に、療育園の先生は、
「周りが見えるようになってきましたね!」
と声をかけてくれました。
先生の話を聞いて、3歳と4歳の息子を比べてみると、遊び方や友達への意識に少しずつ変化が見られていました。
| 3歳の様子 | 4歳の様子 |
|---|---|
| 自分の好きな遊びに夢中 | 友達の遊びを見つめることが増えた |
| 相手を意識せず自分の世界で遊ぶ | 友達の様子や遊び方を観察するようになった |
| 気になるおもちゃがあるとすぐ近づく | 相手の様子を見てから行動することが増えた |
当時は、「遊びに入っていかない=コミュニケーションが後退した」と思い込んでいました。
でも実際には、一緒に遊ぶことはまだ難しくても、
友達の様子をよく見て、相手の行動や反応を観察できるようになっていました。
以前は自分の世界だけで遊んでいた息子が、周りの様子にも目を向けられるようになったことは、
人と関わるための大切な土台が育ち始めていたのだと思います。
「イヤ」「ダメ」と自分の気持ちを伝えられるようになった
4歳頃になると、自分の気持ちを言葉で表現する場面が少しずつ増えてきました。
それまでは、友達がおもちゃを借りに来たり、「一緒に遊ぼう」と誘ってくれたりしても、
本当は嫌なのに「ダメ」と言えず、そのまま受け入れてしまうことがよくありました。
私も相手の親子との関係を気にして、息子の代わりに「いいよ」と返事をしてしまうこともありました。
でも、そのあとになって癇癪を起こすことが多く、

本当は嫌だったんだ…
と気付くことが何度もありました。
ちなみに、4歳頃の息子をふり返ると、こんな変化が見られるようになっていました。
| 3歳の様子 | 4歳の様子 |
|---|---|
| 嫌でも言葉で伝えられない | 「イヤ」「ダメ」と言葉で伝えられるようになった |
| 気持ちを我慢してしまう | 自分の意思を表現しようとする姿が増えた |
| 泣いたり癇癪で気持ちを表すことが多い | 短い言葉でも気持ちを伝えられる場面が増えた |
| 私が気持ちを代弁することが多い | 息子自身が意思表示できるようになってきた |
息子自身で「イヤ」「ダメ」と伝えられるようになったことで、

こんなに我慢していたんだ!
と初めて分かったこともたくさんありました。
当時は、自己主張が強くなったことで対応に困る場面が増え、私にとっては大変な時期でした。
でも、それは息子が自分の気持ちを言葉で表現できるようになった大切な成長の一歩だったと思います。
友達と関わりたい気持ちが芽生えてきた
この頃は、友達への関心にも少しずつ変化が見られるようになりました。
友達に向かって話しかけたり、一緒に遊んだりすることはまだできませんでしたが、以前には見られなかった姿が少しずつ増えてきました。
4歳頃に見られるようになった変化
このように友達の存在を意識し、「関わってみたい」という気持ちが少しずつ芽生えてきたことは、息子にとって大きな成長だったと感じています。
ASDの息子にとって、友達と自然にやり取りをしながら遊ぶことは、今でも簡単なことではありません。
だからこそ、「周りを見る」「自分の気持ちを伝える」「人と関わりたいと思う」といった小さな積み重ねが、コミュニケーションの土台になっていくように思います。
療育園で教わり、家庭で実践したコミュニケーションの関わり方
4歳になった息子は、3歳の頃にうまくいっていた関わり方では通用しない場面が増え、

どう接したらいいのか…
と私自身も悩む毎日でした。
そんな時に支えになったのが、療育園の先生の存在です。
毎日息子の様子を一緒に見守り、その時々の成長に合わせて関わり方を教えてもらえたことで、私自身の考え方も少しずつ変わっていきました。
ここでは、療育園で学び、家庭でも意識して続けた関わり方をご紹介します。
「今は成長の途中」と考え、焦らず見守ることを大切にした
当時、療育園の先生から言われた、
「今は過渡期なので、一見マイナスに見えるかもしれませんが、心配しなくて大丈夫ですよ」
という言葉が、今でも強く印象に残っています。
当時の私は、「できるようになったか」「できなくなったか」という結果ばかりに目が向いていました。
しかし先生は、
と、私には見えていなかった息子の成長をたくさん教えてくれました。
子どもの成長は一直線ではありません。
新しい力が育つ時には、一時的にできなくなったように見えたり、それまでの関わり方が通用しなくなったりすることもあります。
先生の話を聞いて、

今は成長の途中なんだ!
と思えるようになってからは、以前よりも焦らず息子を見守れるようになりました。
もちろん、不安がなくなったわけではありません。
それでも、一人で抱え込まず先生に相談し、その時々の息子に合った関わり方を一緒に考えることで、うまくいかない時期も成長の一部だと前向きに受け止められるようになりました。
息子が安心して関われる環境づくりを大切にした
4歳頃は、無理にコミュニケーションを増やそうとするのではなく、まずは息子が安心して過ごせることを大切にしました。
遊びに夢中になっている時は無理に話しかけず、息子のペースを尊重することを意識しました。
また、一対一なら落ち着いてやり取りできることが多かったため、無理に友達の輪へ入れようとするのではなく、親子でゆっくり関わる時間を大切にしました。
私自身も、思うようにいかないからと感情的に怒るのではなく、安心して人と関われる環境をつくることを優先するようにしました。
親子の安心できる関係が土台となり、その先に先生や友達とのやり取りへつながっていくことを、この頃の経験から実感しています。
遊びを通して親子のやり取りを少しずつ増やした
家庭では、息子の好きな遊びを通してコミュニケーションを増やすことを意識していました。
私がやってほしい遊びを勧めたり、友達と同じ遊びを無理にさせたりするのではなく、まずは息子が楽しんでいる遊びに私が入り、一緒に遊ぶ時間をつくるようにしました。
最初は、

やめて!
と怒られたり、断られたりすることもたくさんありました。
それでもタイミングを見ながら何度も関わることで、一緒に遊べる時間が少しずつ増えていきました。
また、友達が遊んでいる様子を見て興味はあるものの、自分から輪に入れないことを先生に相談した時、
「『あとでお母さんと一緒にやってみようか』と声をかけて、お家で同じ遊びを楽しむだけでも十分ですよ」
とアドバイスをいただきました。
その言葉を聞いて、友達と一緒に遊べないからダメではなく、まずは興味を持った遊びを親子で楽しむことが大切なんだと考えられるようになり、私自身の気持ちも少し楽になりました。
まとめ|4歳はコミュニケーションの土台が育ち始めた大切な時期
4歳頃の息子は、人とのコミュニケーションが減ったように見え、私にとってはとても不安な時期でした。
でも実際には、友達の様子を観察するようになったり、相手の反応を意識したり、自分の気持ちを「イヤ」「ダメ」と言葉で伝えられるようになったりと、人と関わるための土台が少しずつ育っていたのだと思います。
当時の私は、目に見える成長ばかりを求めて焦っていました。
そんな時、療育園の先生は息子だけでなく、私の気持ちにも寄り添ってくださいました。
そのおかげで、息子のできないことばかりを見るのではなく、小さな変化にも目を向けられるようになりました。
親にとってはもどかしく感じる時期でも、焦らず子どものペースを信じ、その子に合った関わりを続けることは、大切な支援の一つだったと感じています。
そして、この4歳の頃に育ったコミュニケーションの土台は、5歳になって少しずつ目に見える変化として表れるようになりました。
次の記事では、療育園に2年間通う中で見られた5歳頃のコミュニケーションの成長について、わが家の体験をもとにお話ししたいと思います。

