療育園は意味ない? 2年間の親子通園で得られたASD息子の成長

ふたハ
ふたハ

療育園は意味ないのでは…?

ふたハ
ふたハ

このまま通い続けて大丈夫かな…

ASDの息子と一緒に療育園に通いながら、そんな不安を心の中で何度も繰り返していました。

毎日、同じ活動の繰り返しで、大きな変化がなかなか見えない日々。

周りの子がどんどんできることを増やしていく一方で、ゆっくり成長する息子の姿に、焦りや不安が強くなることもありました。

でも、迷いながらも2年間通い続けた結果、息子にも少しずつ変化が積み重なっていきました。

療育の効果は、目に見える形ですぐあらわれるものではありません。

そして、子どもの成長スピードは一人ひとりちがいます。

この記事では、療育園は意味ない?と悩んでいた私が、2年間の親子通園で感じたASD息子の成長と療育園に通ってよかった理由をまとめました。

ふたハ
ふたハ

同じように不安を抱えながら子どもと向き合っているママやパパに、

少しでも安心やヒントが届きますように!

療育園は意味ない?…と私が悩んでいた理由

療育園に通っていたころ、

ふたハ
ふたハ

本当に療育園を選んでよかったのか?

ふたハ
ふたハ

療育園に通って意味があるの?

そんな思いが頭の中で何度もぐるぐると回っていました。

勇気を出して療育につながったものの、通い始めてみると壁にぶつかることが多く、先が見えない不安に押しつぶされそうになる瞬間がたくさんありました。

療育の効果がすぐに出なかった

わが家が療育園に通い始めたのは、幼稚園入園の約半年前。

ふたハ
ふたハ

半年あれば、きっと何か変わるはず!

ふたハ
ふたハ

半年あれば、幼稚園に間に合うよね…

そんな期待を抱いていました。

しかし、数週間たっても、数ヶ月たっても、息子の行動に大きな変化は見られません。

相変わらず集団には入れず、好きな遊びに没頭し、朝の集まりで座ることも難しいまま。

ふたハ
ふたハ

こんな状態で幼稚園に行けるのか…?

焦りばかりがふくらみ、発達はすぐに伸びるものではないという現実を痛感しました。

癇癪がどんどんひどくなり、悪化しているように感じた

療育園に通い始めてしばらくすると、息子の癇癪が療育園に通う前より激しくなったように感じました。

ふたハ
ふたハ

療育の効果が出るどころか、むしろ悪化しているのでは…?

そんな不安が胸を締めつけました。

息子が3〜4歳の頃は癇癪のピーク。

当時の私はその対応に追われ、心の余裕がなくなっていきました。

後になって知ったのですが、これは息子が頑張っていたからこその反応で、成長へのステップの一つでした。

環境が変わった不安や、課題に向き合う負担、言葉が追いつかずもどかしい気持ち…。

そんな息子の様子に、当時の私は気づけず。

同じ課題に取り組んでは癇癪を繰り返す息子の姿を見て、続けて大丈夫なのかと悩む日々でした。

ふたハ
ふたハ

あの頃の私は、目の前の大変さしか見えていませんでした。

繰り返しの毎日に、このまま続けて大丈夫なのか不安だった

療育園では、毎日ほぼ同じ流れでプログラムが進んでいきます。

1年目は慣れることに必死でしたが、2年目になっても大きく内容が変わるわけではなく、下の学年の子が入ってきても、また同じ活動を繰り返す日々。

ふたハ
ふたハ

昨年と同じ内容で、本当に成長につながるのかな…

ふたハ
ふたハ

繰り返し続けることに意味はあるのかな?

そんな不安が心の中で大きくなり、飲み込まれそうになる日もありました。

2年間の親子通園で感じたASD息子の変化

療育園に親子で通い続けた2年間。

大きく劇的にに変わる瞬間は、わが家の場合はありませんでした。

でも、小さな「できた」を少しずつ積み重ねることで、気づけば数か月前に悩んでいたことがいつの間にかできるようになっていたり、困っていた行動が減っていたり。

ふり返ると、目には見えにくいけれど、確かな成長がたくさんありました。

集団活動が苦手だった息子が、少しずつ輪に入れるようになるまで

通園を始めたころ、息子は集団活動がとにかく苦手でした。

自由遊びでは楽しく過ごせるものの、体操・歌・手あそびなど、みんなと一緒にやる時間になると、興味を示さずに部屋から出て行ってしまい、参加できない日が続きました。

けれど、先生のサポートを借りながら、少しずつ変化が見えてきました。

息子が集団活動に参加できるようになるまでのステップ

  • 先生がドア付近で見守り、外に出て行かないようにガード
  • みんなの邪魔にならない場所で活動を見るところからスタート
  • 自分の好きな場所ならイスに座れるようになる
  • みんなの近くに座り、手遊びだけ参加してみる
  • イスを指定の列に合わせて置き、あつまりに参加できるようになる

一つのステップに数ヶ月かかることもあり、昨日できたのに今日はできない…そんな日もありました。

でも、その小さな積み重ねが息子を前に進めてくれました。

卒園を迎える頃には、集まりや活動の時間に落ち着いて座って取り組めるようになり、

ふたハ
ふたハ

もう息子1人で大丈夫だ!

と、安心して離れた場所からでも見守れるようになりました。

療育園に入る前は息子がイスに座って参加する想像すらできなかったので、息子の成長をとても実感しました。

ASDと診断された息子のコミュニケーション力の成長

通園を始めた当初、息子は言葉が少なく、こちらの問いかけにも反応が薄く、簡単なやり取りも難しい状態でした。

さらに、ASDの診断を受けた直後は、

ふたハ
ふたハ

この先、言葉は増えるのかな…

ふたハ
ふたハ

息子とやりとりができる日は来るのかな…


そんな不安ばかりがよぎりました。

けれど、親子通園を通して、まずは親との関わりで安心の土台をつくり、少しずつ先生や友だちとのやり取りへと広がっていきました。

その結果、ゆっくりではありますが、

  • 名前を呼ぶと、ふり向く
  • 「〜したい」「〜ちょうだい」「ダメ!」といった簡単な意思表示
  • 短い言葉でのやりとり

一度はあきらめかけていた、やりとりができるようになりました。

以前は一方通行だったコミュニケーションが、息子なりに返してくれる瞬間が増え、息子と一緒に遊びを楽しめるようになったことは、親として本当に嬉しい成長でした。

通って実感した!療育園だからこその安心できる環境

最初は療育園の雰囲気も、どんなことをするのかも分からず、不安を抱えたまま通い始めました。

それでも2年間通ってみて、ここは息子にとって安心できる大切な場所だったと、今ははっきり言えます。

ここでは、特に息子にとって効果を感じたポイントを紹介します。

ASDの息子が安心して過ごせた環境づくり

療育園には、特性を持つ子どもたちが落ち着いて過ごせるよう、いたるところに細やかな工夫がありました。

その積み重ねのおかげで、息子にとっての安心できる場所になっていたと感じています。

視覚的にわかりやすい掲示やスケジュール

息子は耳からの情報より、目から入る情報のほうが理解しやすいタイプです。

療育園では、

  • おもちゃの片づけ場所に写真やラベルをはる
  • 1日のスケジュールをイラストで掲示
  • 活動内容を分かりやすいようにイラストで表示

といった、視覚的な見通しが整えられていました。

療育園に慣れて余裕が出てきたころから、息子自身も毎朝スケジュールを確認するようになり、安心して過ごせる時間が増えていきました。

どんなに癇癪をおこしても受け止めてくれる

息子は感情のコントロールが難しく、療育園に通っている間もたくさん癇癪がありました。

こだわりが強く、自分の思いと違うことが起きるとパニックになってしまいます。

叫んだり暴れたりする息子の姿に、どう対応したらいいのか分からなくなることもありました。

そんな時でも先生たちは、

  • 刺激の少ないスペースでクールダウンさせてくれる
  • 息子が落ち着くまで寄り添ってくれる
  • なぜ癇癪が起きたのか一緒にふり返ってくれる

このように、いつも丁寧に受け止めて、サポートしてくれました。

さらに、療育園のママたちも理解が深く、むやみに声をかけて混乱させることなく、安全を確保し、そっと見守ってくれる方が多かったです。

みんなで支えてくれる環境は本当に心強かったです。

苦手な部分への細やかな配慮

息子には感覚過敏があり、

  • 大きな音が苦手
  • 手が汚れるのが嫌
  • 服が濡れるとパニック

など、困りごとがたくさんあります。

療育園では、親と先生が息子の苦手な場面を共有しながら、

  • 無理をさせない
  • 急に負荷をかけない
  • 小さなステップに分けて少しずつチャレンジする

このように、息子のペースで経験を積めるように調整してくれました。

小さな成長を見逃さず言葉にしてくれる先生の存在

息子のほんの小さな変化も見逃さず、丁寧に言葉にしてくれる先生たちの存在は、とても支えになりました。

  • 今日は朝の支度がスムーズでしたね
  • 以前よりも長く座って活動に参加できるようになりましたね

こうした小さな成長に気づいて、たくさん声をかけてくれる先生たち。

息子のペースを尊重し、タイミングを見守ってくれたり、丁寧に息子に関わってくれたことが、安心感につながっていたように感じます。

ふたハ
ふたハ

そのおかげで、私自身も小さな息子の成長に気づけるようになりました!

家庭だけでは難しかった専門的な療育のサポート

息子には、言葉の理解、コミュニケーション、感覚面など、家だけでは対応が難しい課題が多くありました。

療育園では、

  • 専門スタッフによる個別支援
  • 発達段階に合わせた遊びや課題の提供
  • 成功体験を積むための丁寧な関わり

このような内容を一貫して行ってくれました。

家庭で、これで合ってるのかな…と迷う場面が多かった私にとって、専門的な視点に基づく療育は心強かったです。

息子の特性に合わせた関わり方を学ぶことで、おやこ共に安心して一歩ずつ進むことができたと感じています。

療育園の卒園時点でのASD息子の姿

療育園での2年間は、息子が自分のペースで一歩ずつ成長していった大切な時間でした。

とはいえ、すべての課題ができるようになったわけではなく、まだ苦手さも残っています。

それでも、この2年間で身につけた経験は、息子の可能性を広げてくれる大きな足がかりになりました。

親子通園を通して息子ができるようになったこと

療育園に通い始めた当初、息子は癇癪がおこると気持ちの切り替えが難しく、長時間泣き続けたり感情が爆発してしまうことがよくありました。

けれど、先生たちと連携した丁寧なサポートのおかげで、少しずつ自分で落ち着けるようになる場面が増えていきました。

また、集団活動では「椅子に座る」「話している人を見る」といった小さなステップから始め、ある程度の時間なら活動に参加できるようになりました。

短い一斉指示も理解して動ける場面も増え、息子なりのペースで集団生活の土台をつくることができました。

2年間の息子の成長まとめ

  • 癇癪の頻度が減り、気持ちのコントロールが少しずつできるようになった
  • 集団活動に参加できるようになった
  • 短い一斉指示なら理解して動けるようになった
  • 給食で食べられるメニューが増え、スプーンの使い方も上達した
  • トイレ・着替えなど身の回りの自立が進んだ
  • 周囲の様子を見て行動できるようになった
  • 言葉での簡単なやり取りができるようになった

通っている間は、小さな変化の積み重ねでしたが、ふり返るとたくさんの成長がありました。

そして何より、親子で一緒に楽しめる時間が増えたことが、私にとっての一番の喜びです。

卒園後も心配が残っている部分

一方で、息子の中には今も向き合い続けている課題も残っています。

まずは「こだわり」です。

以前より落ち着いてきたものの、常にこだわりは持っていて、疲れや不安があると切り替えに時間がかかることがあります。

コミュニケーション面では、自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しかったり、相手の気持ちを読み取るのに時間がかかる場面も多くあります。

大人とのやり取りは増えましたが、友だちとの関係にはまだ課題が多いのが現状です。

また、複雑なルールのある遊びが理解しづらかったり、言葉の遅れ、運動面や手先の不器用さ、感覚過敏なども、引き続きサポートが必要な部分として残っています。

ふたハ
ふたハ

療育園を卒園しても、サポートは続けています!

次のステップ・幼稚園への挑戦

卒園時点では、まだ心配も課題もたくさんありました。

それでも、おやこで重ねてきた成長が、次のステップに向かう力になりました。

療育園の園長先生からも、

「今の息子くんなら、幼稚園でも大丈夫ですよ!」

背中を押していただき、心の準備をすることができました。

幼稚園といえば、年少で入園して2か月で退園することになった、今でも胸が痛む経験があります。

でも、療育園で積み重ねた2年間のおかげで、年長で再チャレンジした1年間は、息子のペースで楽しく過ごすことができました。

まとめ|療育は意味ない?…と悩み続けた私が今思うこと

ふたハ
ふたハ

本当に療育を続けて意味があったのか…?

ふたハ
ふたハ

息子は療育のおかげで成長できたのか…?

正直なところ、療育園を選んだ選択が正しかったのか間違っていたのかはよく分かりません。

息子のASDの特性がすべて改善されたわけではなく、これから向き合っていく課題も残っています。

それでも、療育園での2年間で、息子は少しずつ「できること」を増やし、私自身も子どもとの関わり方や声かけを学び、親子で小さな成長を積み重ねられました。

ふたハ
ふたハ

療育園に通う前と比べると、毎日の生活がぐっと楽になりました。

療育園を選んだことで、息子との日々を前向き過ごせるようになり、迷いながらも続けた時間は、決して無駄ではなかったと思っています。

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