
そろそろトイトレを始めた方がいいよね?
一般的な目安を参考に、わが家が初めてトイレトレーニングにチャレンジしたのは、息子が3歳になる少し前でした。
しかし、言葉でのやりとりの難しさやこだわりの強さ、感覚過敏など、ASD(自閉スペクトラム症)の特性がある息子のトイトレは思うように進みませんでした。
何度挑戦しても失敗ばかりで、できるようになる気配が見えず、

いつになったらオムツが外れるんだろう…
と悩んだことを今でもよく覚えています。
当時は焦る気持ちばかりが先走っていましたが、息子の成長やタイミングを待ちながら進めることが大切だったと感じています。
この記事では、
について、わが家のASD息子のトイトレ体験をもとにお伝えします。
トイトレが進まず悩んでいるママやパパの参考になればうれしいです。
ASD息子のトイトレに3回失敗したわが家の理由
現在はトイトレを卒業している息子ですが、そこにたどり着くまでには3回の失敗がありました。
当時の私は、周りの子が次々とオムツを卒業していく姿を見て、

みんなに追いつかなきゃ!
そんな気持ちが強く、息子の準備が整っているかどうかを冷静に見れていなかったように思います。
ここでは、わが家が失敗した3回のトイトレについてまとめました。
1回目のトイトレ|言葉で気持ちを伝えられず失敗
1回目のトイトレは、3歳になる少し前でした。
当時は、周りの親子が次々とトイトレを始めていて、早い子は2歳でおむつが外れているという話も聞こえてきました。
ただでさえ発達の遅れが気になっていた私は、

うちもそろそろ始めないと…
という気持ちが強くなり、焦っていました。
一方で、息子本人はトイレにほとんど興味がなく、トイトレを意識していたのは親の私だけでした。
それでも、まずはトイレに座ることから始めてみると、数日後にたまたまトイレでおしっこが成功しました。

案外スムーズに進むかも?
と期待して、本格的にトイトレを始めました。
しかし、当時の息子はまだ言葉でのやりとりが難しく、
と伝えることができませんでした。
私がトイレに誘っても、息子自身も何をすればいいのか十分に理解できていなかったように思います。
数日チャレンジしてみたものの、その後はなかなか成功せず、手ごたえも感じられませんでした。
まだ息子の準備が整っていなかったのだと感じ、一度トイトレを中断することにしました。
2回目のトイトレ|入園前の焦りで空回り
2回目のトイトレは、幼稚園入園を控えた時期に行いました。
当時の私は、

入園までにはオムツを外したい!
という気持ちが強くなり、再びトイトレを始めました。
トイレの絵本を読んでイメージトレーニングをしたり、トレーニングパンツを履かせたり、こまめにトイレへ誘ったりと、できることは一通り試してみました。
しかし、思うようには進みませんでした。
息子自身はまだトイレへの興味が薄く、
なぜトイレに行かなければならないのかを十分に理解できていなかったように思います。
また、言葉でのやりとりも難しかったため、私がいくら説明してもうまく伝わりませんでした。
今ふり返ると、完全に私の一方通行でした。
息子のペースよりも、入園までに間に合わせたいという親の焦りが先に立ち、思うように進まないことにイライラしてしまうこともありました。
このまま続けても親子ともにしんどくなるだけだと感じ、2回目のトイトレも中断することにしました。
3回目のトイトレ|感覚過敏を利用しようとして失敗
3回目のトイトレは、年少の夏ごろでした。
息子には感覚過敏があり、服が少し濡れただけでもよく嫌がっていました。

パンツが濡れたら気持ち悪く感じて、トイレを意識するようになるのでは?
と考え、トイトレの再開を決めました。
さらに、トイトレは夏が始めやすいと聞いていたこともあり、

今度こそ成功させたい!
と私のやる気も高まっていました。
そこで思い切って、パンツで過ごしてみることに。
濡れても夏ならすぐ乾くし、今回はとことん付き合おうと私も覚悟を決めていました。
ところが、あれほど服が濡れることを嫌がっていたのに、なぜかパンツが濡れてもまったく気にしていない様子。
濡れたまま平然と過ごしている息子を見て、私はまたイライラが募っていき、気持ちの余裕を失って息子に強く当たってしまうこともありました。
そして結局、これ以上続けるのは難しいと感じ、トイトレを中断することに。
この時、私は初めて、

感覚過敏があるからといって、すべての感覚に敏感なわけではないんだ!

体の部位によって、感じ方には違いがあるんだ!
と気づきました。
当時の息子は、パンツが濡れていることを「気持ち悪い」と感じる感覚が、まだ十分に育っていなかったのだと思います。
目につきやすい感覚過敏だけでなく、刺激を感じにくい「感覚鈍麻」の特性も関係していたのかもしれません。
こうして、濡れるのが嫌だからトイトレも進むはずという私の予想は外れ、3回目の挑戦もうまくいきませんでした。
ASD息子のトイトレ卒業につながった3つのきっかけ
3回失敗したわが家のトイトレ。

もう、いつ外れてもいいや…
そう思うようになってからは、無理に進めることをやめ、息子のペースに合わせながらゆるく続けていました。
すると年少の冬ごろ、思いもよらない変化が少しずつ重なり、トイトレ卒業につながっていったのです。
今ふり返ると、日々の積み重ねと息子自身の成長が大きかったように感じています。
きっかけ① トイレに行く習慣を少しずつ身につけた
トイトレがなかなか進まず、3回の失敗を経験したことで、私が一人で焦っても上手くいかないことを学びました。
そのため、いつまでに外すか…目標は決めず、無理のない範囲で続けることにしました。
唯一意識していたのは、毎日決まったタイミングでトイレに誘うことです。
家では朝起きた時、お風呂の前、寝る前。
療育園では活動前や昼食前など。
できるだけ同じ時間に声をかけていました。
嫌がる日は無理をせず、

また明日いこうね!

中に入るだけでもいいよ!
と、その時の息子の様子に合わせて対応していました。
また、おしっこが出なくても、トイレに行けただけでたくさん褒めることを心がけました。
こうした関わりを続けるうちに、「この時間はトイレに行く」流れが少しずつ身についていきました。
見通しのある行動や決まったルーティンを好むASDの息子にとって、習慣化は合っていたと思います。
トイレに座りやすい環境づくりのために、補助便座や踏み台も活用しました。
補助便座は安定感があるコンビのものを使用し、足がしっかりつくように踏み台を置いて、安心して座れるように工夫しました。
わが家で実際に使っていた補助便座と、使用していたものに近いタイプの踏み台を載せておくので、トイトレグッズ選びの参考にしてみてください。
きっかけ② 友だちの姿を見てトイレを意識するようになった
もともと息子は、周りの子が何をしていてもあまり関心を示さないタイプでした。
そのため、お友だちがトイレへ行っていても興味を示すことはなく、集団生活の中で自然にトイレを意識するようになるイメージは持てませんでした。
しかし、年少の後半になると少しずつ周囲への関心が出てきました。
そこで、療育園のお友だちがトイレへ行くタイミングで一緒に行ったときに、

みんなもトイレに行っているね!

トイレでおしっこしているね!
と声をかけてみることに。
すると、友だちの様子を見る機会が増え、少しずつ行動を意識するようになっていきました。
それまで自分の世界で過ごすことが多かった息子にとって、周囲への関心が広がり、友だちの行動にも目を向けられるようになったことは大きな成長だったと思います。
きっかけ③ 気持ち悪いと感じられるようになった
そして、トイトレ卒業の一番のきっかけになったのは、年少の冬ごろに起きたある出来事でした。
ある日、おむつをしていたにもかかわらず、おしっこが横から漏れてしまったことがありました。
すると、それまでとは明らかに様子が違いました。
息子は不快そうな表情を浮かべ、自分でズボンとおむつをすぐに脱いだのです
夏にトイトレへ挑戦していた頃は、おしっこで濡れてもまったく気にしていませんでした。
それなのに、この時は気持ち悪い感覚がしっかり育っているように感じられました。
時期が冬だったこともあり、より不快感を感じやすかったのかもしれません。
その姿を見た瞬間、

もしかしたら、今がタイミングなのかもしれない!
と直感しました。
ちょうどその頃は、息子の言葉も少しずつ増え始め、やりとりができる場面も増えていました。
すると、その後はトイレで成功する回数が少しずつ増え、驚くほどスムーズにオムツが外れました。
それまで3回もトイトレに失敗していたので、拍子抜けするほどでした。
トイトレが成功したのは、息子自身の成長やタイミングが整ったことが大きかったように思います。
だからこそ、ASDの子どものトイトレは、周りと同じタイミングで進めるのではなく、その子なりの準備が整った時を大切にすることが必要だと感じました。
ASD息子のトイトレが難しかった理由|わが家が感じた4つの特性
小学3年生になった今では、トイレに行くことはすっかり当たり前になりました。
当時は先が見えず悩んでいたトイトレも、今では親子の思い出の一つになっています。
今思うと、トイトレがなかなか進まなかった背景には、ASDの特性が関係していた部分もあったように感じます。
ここでは、わが家がトイトレを通して感じたASD特性との関係についてまとめてみました。
① 周りの子を意識しにくく、やる気につながらなかった
幼稚園入園前になると、周りの子が次々とオムツを卒業していきました。
私は焦る気持ちでいっぱいでしたが、、息子本人はまったく気にしていない様子でした。
「みんなができているから自分もやってみよう」という気持ちはあまりなく、周りの子と自分を比べることもほとんどありませんでした。
そのため、お友だちがトイレに行く姿を見ても刺激を受けにくく、トイトレのモチベーションにつながりにくかったように思います。
もちろん、「自分は自分」と考えられることは息子の良さでもあります。
ただ、トイトレに関しては、周りの子の様子を見たり真似をしたりする力があると、スムーズに進みやすいと感じました。
実際、息子も年少の後半になると少しずつ周囲への関心が広がり、お友だちの行動を意識する場面が増えていきました。
そうした変化が、トイトレの前進につながったように感じています。
② 言葉でのやりとりが難しく、コミュニケーションが取りにくかった
3歳前後の息子は、まだ言葉での理解ややりとりが十分にできる状態ではありませんでした。
そのため、トイレに誘っても意味が伝わりにくかったり、こちらの意図を理解できなかったりすることがよくありました。
トイトレは、子どもと大人が気持ちや状況を共有しながら進めていく場面が多くあります。
しかし当時の息子とは、やりとり自体が難しく、親だけが頑張って空回りしているような状態でした。
その後、言葉の理解が進み、会話のキャッチボールができるようになるにつれて、トイレに関するやりとりもしやすくなりました。
③ こだわりが強く、新しい習慣を受け入れるまで時間がかかった
息子は新しいことを受け入れるまでに時間がかかるタイプでした。
オムツからパンツへ変えることや、トイレで排泄することは、息子にとって大きな生活の変化だったのだと思います。
親としては早くトイトレを進めたい気持ちがありましたが、無理に進めようとすると、かえって拒否が強くなってしまうこともありました。
息子の場合は、焦って進めるよりも、本人のペースに合わせながら少しずつトイレに慣れていくことが大切だったように感じています。
一方で、一度習慣として定着すると続けやすいという特徴もありました。
実際に、毎日決まった時間にトイレへ誘うことを続けているうちに、

この時間はトイレに行く。
という流れが少しずつ身についていきました。
トイトレを通して感じたのは、無理に変化を求めるよりも、時間をかけて習慣化していくことの大切さです。
息子の場合は、その積み重ねがトイトレ成功につながったように感じています。
④ 感覚過敏だけでなく、感覚の鈍さもあった
トイトレを通して感じたのは、感覚過敏があるからといって、すべての感覚に敏感なわけではないということです。
息子は服が少し濡れただけでも嫌がることがありましたが、お漏らしをしても平気でした。
当時の息子に見られた感覚過敏の特徴や、3歳ごろに実際に困っていたことについては、こちらの記事にまとめています//
▶ ASD息子の感覚過敏はどうだった?3歳ごろの特徴と困りごと
服が濡れることは気になるのに、パンツの中が濡れていることには気づかない。
その違いを見て、

同じ濡れるという刺激でも、感じ方は場所によって違うんだ!
と気づきました。
息子の場合は、刺激を強く感じる部分がある一方で、尿意や濡れた感覚など、気づきにくい部分もあったのかもしれません。
そのように感覚の受け取り方に偏りがあったことも、トイトレが進みにくかった理由の一つだったと思います。
そして、成長とともに少しずつ体の感覚への気づきも変化し、「濡れると気持ち悪い」と感じられるようになったことが、トイトレ卒業につながる大きな一歩でした。
まとめ|ASD息子のトイトレは息子のペースを待つことが大切だった
息子のトイトレは、3回挑戦してもうまくいかず、何度も悩みました。
周りの子が次々とオムツを卒業していく中で焦る気持ちもありましたが、結果的には息子のペースに合わせて進めることが大切だったと感じています。
トイトレをふり返ると、言葉でのやりとりの難しさやこだわりの強さ、感覚過敏や感覚の鈍さなど、ASDの特性も大きく影響していました。
だからこそ、無理に進めようとするのではなく、息子のペースに合わせながら少しずつ習慣づけていくことが必要だったのだと思います。
実際に、毎日のトイレ習慣を続けたり、療育園でさまざまな経験を積み重ねたりする中で、息子自身の成長とともにトイトレも前進していきました。
トイトレが進まないと、どうしてできないのかと不安になることもあると思います。
しかし、できないのではなく、まだ準備が整っていないだけなのかもしれません。
行き詰まったときは少し立ち止まり、お子さんの成長を待ってみることも一つの方法です。
この記事が、トイトレに悩むママやパパの気持ちを少しでも軽くし、参考になればうれしいです。

