わが家のASD(自閉スペクトラム症)の息子は、小学1年生の時に精神障害者保健福祉手帳を取得しました。
もともと息子は4歳のときに療育手帳を取得しており、私が精神障害者保健福祉手帳を知ったのは、6歳のときに療育手帳を返納することになったのがきっかけです。
ちなみに、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の申請は、強制ではなく希望制です。
そのため、自分から情報を集めないと制度自体を知らないまま過ごしてしまうケースも少なくありません。
正直、最初は「精神障害者」という手帳の名称のインパクトに戸惑いもありましたが…。

今では、取得してよかったと感じています!
この記事では、発達障害のある息子が精神障害者保健福祉手帳を取得した理由とメリットを、わが家の実体験をもとにお伝えします。
精神障害者保健福祉手帳の取得に迷っているママやパパの参考になれば幸いです。
精神障害者保健福祉手帳について
障害者手帳には3種類あります。
このうち、ASDやADHDなどの発達障害がある子どもが対象となるのは、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳です。
また、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の違いは、知的発達の遅れがあるかどうかです。
知的障害を伴う場合は療育手帳、知的遅れがない場合は精神障害者保健福祉手帳の対象になることが多いです。

私の周囲では、「療育手帳が取得できなかった」「更新で療育手帳が返納になった」タイミングで、精神障害者保健福祉手帳を検討するご家庭が多いです。
「精神障害者保健福祉手帳」とはどんな制度?
精神障害者保健福祉手帳は、心や発達の特性によって日常生活に支援が必要な方が、福祉サービスや社会的サポートを受けやすくするための公的な制度です。
対象となるのは、統合失調症やうつ病などの精神疾患のほか、ASD・ADHD・LDなどの発達障害で生活に困難を感じている方も含まれます。
また、手帳には1級~3級の等級があり、症状や生活の困りごとの程度によって判定されます。
参考資料:障害者手帳・障害年金
発達障害でも精神障害者保健福祉手帳を取得できる
「発達障害でも精神障害者保健福祉手帳ってもらえるの?」と驚く方も多いと思います。

私自身もそうでした。
わが家の場合、療育手帳の返納手続きの際に、児童相談所の担当者から精神障害者保健福祉手帳を教えてもらいました。
もし、そのとき説明を受けていなければ、今でも精神障害者保健福祉手帳の制度を知らないままだったかもしれません。
発達障害は見た目では分かりにくく、支援を受けにくい面もあります。
だからこそ、公的に支援が必要と認めてもらえる手段として、精神障害者保健福祉手帳の存在を知っておくことはとても大切だと感じます。
子どもの精神障害者保健福祉手帳の取得を決断したわが家の理由
息子が4歳で療育手帳を取得したときの親の感情は言葉にできないくらい複雑な心境でした。
また、息子が軽度知的障害である現実を受け入れるまでに時間がかかったり、息子の代理で手帳を申請することにも葛藤がありました。
手帳取得の重みを経験しているからこそ、精神障害者保健福祉手帳の申請を決断するには勇気がいりました。
それでも、最終的に精神障害者保健福祉手帳を取得したのは、次のような理由があったからです。
療育手帳を返納したときに不安を感じたから
息子が6歳の時に、療育手帳の更新で発達検査を受け、知能指数が基準をわずかに上回り、手帳を返納することになりました。
数値が上がったことは嬉しい反面、支援が減ることへの不安を強く感じました。
実際、知能指数が上がっても特性の強さは変わらず、息子はこだわりやコミュニケーションの難しさで日常生活に困る場面が多くあります。
制度上の線引きで支援が減ることへの戸惑いが、精神障害者保健福祉手帳取得への決断につながりました。
夫に息子の特性の強さを理解してほしかった
また、息子のASDに対する夫との認識の違いも理由の一つです。
私は日々の関わりの中で息子の困りごとを間近で見ており、大変さを実感していました。
しかし、夫は「気にしすぎ」「甘えすぎだ」と軽く考えていました。
そこで、息子の特性の強さや支援の必要性を夫に理解してもらうために精神障害者保健福祉手帳を取得しようと思いました。
実際に、精神障害者保健福祉手帳を取得したことで、医師や福祉機関などの第三者が支援の必要性を認めた証明になり、夫も真剣に向き合ってくれるようになりました。
夫婦で息子をどう支えていくかを考えたり、悩みを夫婦で共有できるようになりました。

夫の理解が深まったことで、私の心の負担が軽くなりました。
息子の現状を把握し、環境をととのえるため
息子は結果的に「2級」判定で精神障害者保健福祉手帳手帳を取得しました。
正直なところ、息子の対応が一番大変だった3歳のころと比べると育てやすく感じていました。
そのため、精神障害者保健福祉手帳は「3級」で交付されるだろう考えていました。
想定よりも重たい判定で落ち込みましたが、改めて息子の今の状態を整理する良い機会になりました。
また、わが家では通常級への転籍を視野に入れています。
しかし、息子の通う小学校では、通常級に移った時に支援がほぼなくなると聞いています。
そのため、支援の継続や学校との連携を保つためにも、手帳の存在が役立つと感じています。
精神障害者保健福祉手帳を取得して感じたメリット
息子が精神障害者保健福祉手帳を取得して1年になります。
実際に、手帳を取得して感じたメリットを紹介します。
福祉サービスを受けられる
成人で手帳を取得した場合、手当や税金や就労など福祉サービスの利用範囲はとても広いです。
しかし、息子のように未成年の場合でも、利用できる福祉サービスはたくさんあります。
精神障害者保健福祉手帳2級の主な福祉サービス(未成年者が該当するものを抜粋)

地域によって内容や条件が異なる場合や所得制限によって利用できないものもあります。
詳細はお住まいの自治体で確認するのがおすすめです!
学校や支援機関との連携がスムーズ
わが家では、学校や支援機関に精神障害者保健福祉手帳の取得状況を共有しています。
そうすることで、息子の特性をより正確に理解してもらえるようになりました。
たとえば、支援が必要な子として学校全体で把握してもらえ、担任や支援員との打ち合わせがスムーズにできています。
また、放課後等デイサービスでは、支援会議での話し合いがより建設的になり、私自身の安心感にもつながっています。
息子への過度な負担を減らせる
精神障害者保健福祉手帳を取得したことで、「みんなと同じでなくてもいい」と素直に思えるようになりました。
以前は「他の子に追いつかないと…」と焦ってしまうことも多かったです。
でも、今は「息子のペースで大丈夫」と心から思えます。
息子も「無理しなくていい」「できることを少しずつ増やそう」という声かけに安心できるようで、おやこ共に穏やかに過ごせる時間が増えました。
まとめ|精神障害者保健福祉手帳の取得は「必要に応じて」検討を
精神障害者保健福祉手帳は、必ずしも全員に必要なものではありません。
ですが、支援をつなぎやすくしたり、周囲の理解を深めてくれたり…。
わが家にとっては必要な存在です。

お子さんの特性やご家庭の状況に合わせて、焦らず、じっくり検討してみてくださいね。





