通常級への転籍で想定外だった3つのルールとわが家のつまずき

わが家が通常級への転籍を考え始めたのは、支援級で入学した息子が1年生のときでした。

夫婦で話し合い、まずは支援級を土台にして、少しずつ通常級へ移行できるように早い段階から支援級の担任の先生にも希望を伝えていました。

けれど、いざ実際に動き始めてみると、事前には想定していなかった学校のルールや、思うように進まない場面に、何度もぶつかることになりました。

療育園に通っていたおかげで、支援級については周りに経験者が多く、比較的情報を集めやすかったです。

一方で、支援級から通常級への転籍となると、身の回りの経験者の数はぐっと減り、具体的な話を聞ける機会が少なかったように感じます。

ネットで調べてみても、地域や学校によって制度や運用が大きく異なるため、参考になる情報はなかなか見つかりませんでした。

ふたハ
ふたハ

実際に通常級への転籍を進めながら、気づいたことがたくさんありました!

この記事では、通常級への転籍を進める中で、わが家が「想定外だった」と感じた3つのルールと、実際につまずいたポイントについてまとめています。

これから転籍を考えているママ・パパにとって、少しでも心の準備につながればうれしいです。

通常級への転籍で想定外だった3つのルール

息子が1年生のうちから、将来的に通常級への転籍を視野に入れ、支援級の担任の先生には早めにその思いを伝えていました。

交流級へ行く機会を少しずつ増やしたり、転籍に関する情報を集めたりと、できる準備は進めていたつもりでした。

そして、2年生に進級し、実際に転籍に向けて具体的に動き始めたとき、

ふたハ
ふたハ

思っていたのと違う…

ふたハ
ふたハ

そんな決まりがあるなんて知らなかった…

学校のルールや制約に直面することになりました。

ここでは、わが家が通常級への転籍を考える中で、特に想定外だったルールについてまとめました。

想定外① 少しずつ通常級の環境に慣らすことができなかった

わが家では当初、少しずつ通常級で過ごす時間を増やしながら、無理のない形で転籍を進めたいと考えていました。

  • 息子が幼稚園を2か月で断念し、急な環境変化でつまずいた過去
  • 療育園から幼稚園への移行で、少しずつ慣らしたことでうまくいった

この経験の積み重ねから、急に切り替えるのではなく、様子を見ながら段階的に慣らすことが息子にとって一番合う方法だと思っていました。

ところが実際には、息子の通う小学校では支援級に在籍している場合、交流級(=通常級)で過ごせる授業数は「全体の半分まで」というルールがありました。

文部科学省の通知でも、「週の授業時数の半分以上は特別支援学級で行うこと」が原則とされています。

参考資料:特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)

息子の通う小学校での実際の運用

  • 支援級在籍中は、通常級での交流は授業全体の半分まで
  • 次年度に通常級への転籍が決まっている場合のみ、移行期間として半分を超えて増やせる
  • 9月までに判断するため、1学期に「お試し期間」が設けられるが、その期間は一気に交流級を増やす必要がある

つまり、少しずつ増やして様子を見るという、わが家が思い描いていた柔軟な進め方は難しい現実がありました。

制度上の期限やルールによって調整の幅が限られており、グラデーションのある進め方ではなく、ある程度一気に環境を切り替える必要があります。

そのため、負担がかかり息子が不安定になってしまった時期がありました。

想定外② 籍を変えるには思っていた以上に労力が必要だった

小学校の入学前に、先輩の支援級ママや療育仲間から、通常級から支援級へ、支援級から通常級へ移った子の話を聞いて、

ふたハ
ふたハ

今は柔軟に転籍できるものなんだ。

このようなイメージを持っていました。

また、3歳上の娘の小学校生活を見ていても、途中から支援級に移った子や、逆に通常級で授業を受けるようになった子の話を聞いていたため、

ふたハ
ふたハ

担任の先生に相談したら、簡単に籍を変えられるのかな…

そんな感覚でいました。

しかし実際には、転籍は短期間で決められるものではなく、1年ほどかけて慎重に判断していく必要があります。

籍の変更は基本的には年度単位で行われ、

  • 試しに籍を変えてみる
  • 途中で様子を見て切り替える

といった柔軟な動きは、現実的には難しいことを知りました。

今ふり返ると、娘のクラスの子の場合も、途中で通常級に来たり、突然支援級に移ったように見えたけど、まだ籍は変わっていなくて移行期間中だったんだと気づきました。

だからこそ、転籍は簡単な選択ではなく、家庭としても覚悟をもって向き合う必要がある決断なのだと、あらためて実感しました。

想定外③ 通常級に移って支援級に戻った前例はない(息子の小学校の場合)

息子は、こだわりが強く、言葉の遅れもあり、コミュニケーションが得意なタイプではありません。

そのため、

ふたハ
ふたハ

3年生で通常級への転籍を考えています!

このように伝えたときの周囲からの反応は、正直なところ慎重な意見が多いです。

「息子くんなら大丈夫ですよ!」と即答してくれる人はおらず…。

学校の先生、放課後等デイサービスの職員、発達外来の先生も、本心では「本当に大丈夫だろうか…」と思っているように感じます。

それでも、親の思いをくみ取りながら、支援方法や困りごとの対処について一緒に考えてくれています。

そんな中、発達外来の先生からの言葉が印象に残りました。

  • 高学年になって分からないことが増えてきたときに、本人がしんどくならないか心配
  • そのときに、支援級に戻れる環境があるいい

そこで、学校との面談で率直に質問しました。

ふたハ
ふたハ

支援級から通常級に転籍して、もし合わなかった場合、また支援級に戻ることはできますか?

学校側から返ってきた答えは、

  • この学校では、前例はありません
  • 戻ることがないよう、慎重に判断しています

戻れないかもしれないと感じた瞬間、転籍への気持ちに、正直ブレーキがかかりました。

ただ後日、改めて確認したところ、制度としては戻ることは可能だと分かりました。

息子の小学校では前例はないけれど、制度上は選択肢が残されている。

ふたハ
ふたハ

もしかしたら、息子が前例をつくることになるかもしれないけれど…

戻れる選択肢があると知れただけで、気持ちは少し軽くなりました。

転籍を進める中で、わが家がつまずいたこと

息子が1年生のころから転籍に向けて準備を重ね、学校ともこまめにやり取りを続けてきましたが、実際に動き始めてみると、思うように進まない場面もいくつかありました。

ここでは、通常級への転籍を進める過程で、わが家が実際につまずいたと感じたポイントをふり返ります。

つまずき① 進級時の情報共有がうまくいかなかった

1年生から2年生へ進級するタイミングで、担任の先生が変わりました。

1年生の支援級担任の先生には、

  • 3年生での通常級への転籍を視野に入れていること
  • そのために、通常級で過ごす時間を少しずつ増やしたいこと

これらを3学期の面談でしっかり伝えていました。

ところが、2年生になって配布された時間割を見ると、通常級で過ごす時間が増えるどころか、むしろ減っていました。

ふたハ
ふたハ

正直、とてもショックでした…

すぐに2年生の支援級担任の先生に事情を説明したところ、状況を理解してくださり、対応自体はすぐにしてもらえました。

ただ、この出来事をきっかけに、

ふたハ
ふたハ

大事な情報は、きちんと引き継がれているのだろうか…

不安が一気に大きくなりました。

というのも、1年生のときの先生には少し頼りなさを感じていた部分もあり、転籍に関する大事な話が、どこまで正確に共有されているのか心配になりました。

そこで、こちらから改めて面談を申し込み、時間を取ってもらいました。

  • 息子の特性について改めて説明
  • 3年生以降を見据えた転籍の考え
  • 今後、どのようなスケジュールで進めていくのか

これらを一つひとつ確認し、支援級担任の先生と具体的な情報共有を行うことができました。

伝えたから安心するのではなく、共有できているかを確認することの大切さを、身をもって感じた出来事でした。

つまずき② お試し期間や面談の時期が予定と異なった

4月の時点で、支援級担任の先生と相談しながら、転籍に向けた大まかな流れや、お試し期間・面談時期の見通しを立てました。

ですが、実際には予定どおりに進まないことも多くありました。

その理由のひとつが、転籍には関わる人がとても多いということです。

  • 支援級担任
  • 交流級担任
  • 校長先生・教頭先生
  • 特別支援教育コーディネーター

各スケジュールを調整する必要があり、面談日程がギリギリまで決まりませんでした。

学校側にとっても簡単な調整ではなかったと思います。

また、担任の先生の調整力や経験値によって、進み方に差が出ることも感じました。

2年生の担任の先生は、心配なことを伝えるとすぐに対応や返答をしてくれ、交流級担任の先生とも連携をこまめに取っていました。

校長先生・教頭先生・支援員さんとも情報共有がしっかり行われていて、転籍を判断する大事な時期に、信頼できる先生に出会えたことは本当に心強く感じました。

当初の通常級のお試し期間の計画とは日数も進め方も変わりましたが、息子の様子を見ながら柔軟に調整してもらえたことで、結果的には良かったと感じています。

転籍は多くの人が関わる分、予定が変わることはよくあることだと、あらかじめ覚悟しておくだけでも、気持ちは少し楽になると思います。

つまずき③ インクルーシブ教育への期待と現実の差

通常級への転籍を考える中で、わが家もいろいろと情報を調べました。

その中で目にしたのが、インクルーシブ教育の制度です。

インクルーシブ教育とは

インクルーシブ教育とは、障害の有無にかかわらず、すべての子どもが同じ場で学び、必要に応じた支援や配慮を受けながら成長していく考え方です。

ネットや書籍では、通常級の中でも柔軟に合理的配慮が行われ、支援が自然に組み込まれている学校の事例も多く紹介されています。

そのため、正直なところ…

ふたハ
ふたハ

通常級に移っても、ある程度の配慮が受けられるのかもしれない!

ふたハ
ふたハ

インクルーシブ教育が進んでいる今なら、うまくいくかも…

そんな期待をどこかで抱いていた自分がいました。

息子の通う小学校で感じた現実

しかし、実際に息子が1年生から支援級で過ごす中で、通常級と支援級のあいだには、壁があると感じる場面が何度もありました。

さらに、学校との面談で通常級での支援や配慮について確認した時に、

  • 担任の先生ができる個別対応には限界がある
  • クラス全体への配慮が優先される
  • 支援級と同じ手厚さは難しい

このような現実を知りました。

ただ、先生方はできる範囲で配慮しようとしてくれています。

それでも、通常級という集団の中では、どうしても対応に限界があるように感じました。

インクルーシブ教育の理念と、学校現場でできることのあいだには、まだ大きなギャップがある…

それを実感した出来事でもありました。

だからこそ、

ふたハ
ふたハ

どんな支援が息子にとって現実的に必要なのか…

ふたハ
ふたハ

学校にどんな提案ができるのか?

親として考え続け、学校と話し合っていく姿勢が大切だと感じています。

まとめ|想定外の出来事やつまずいた経験を通して今思うこと

通常級への転籍を考え始めてから、わが家はたくさんの「想定外」と向き合ってきました。

制度上のルール、学校ごとの運用、情報共有の難しさ、そして理想と現実のギャップ。

支援級に在籍しているからこそ守られている部分がある一方で、どこか「別枠」として線を引かれているように感じ、寂しさやもどかしさを覚えたこともあります。

それでも、忙しい日々の中で、息子のことを真剣に考え、時間を取って話を聞いてくれる先生方には、やはり感謝の気持ちが大きいです。

現在、わが家は実際に転籍に向けて一歩ずつ進んでいる途中です。

支援級か通常級かという枠にとらわれず、どんな環境であっても、息子が安心して過ごせることを一番大切にしたい。

その思いは、転籍を考え始めた当初から今も変わっていません。

これからも、先生と対話を重ねながら、その時々の息子に合った環境を一緒につくっていきたいと思っています。

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