私ふたハの息子のぱんタは自閉スペクトラム症(ASD)です。
ぱんタが3歳のころから2年間ほど療育園に通っていました。

今回は、療育園の見学をした時のことを振り返ります。
親子教室の職員から療育園の見学をすすめられたふたハとぱんタ。
発達に心配のある親子が集まる「親子教室」に参加したふたハとぱんタ。
しかし、「親子教室」は私たち親子にとっての居場所にはなりませんでした。
「親子教室」の活動に全然参加できずに途方に暮れていたふたハ。
すると、1人の職員から「療育園の見学をしに来ませんか?」と提案がありました。
ちなみに、療育園入園後にその職員が療育園の先生だったと知りました。
親子教室の様子を度々見に来ていて、気になる親子に声をかけていたそうです。
療育園の見学に行くことを即決したふたハ。
そして、声をかけてくれた職員(のちの療育園の先生)に療育園の見学が可能な日にちを聞き、療育園の見学をすることになりました。
ぱんタが通った療育園と児童発達支援事業所について。
さて、本題に入る前に、ぱんタが通った療育園について簡単に説明します。
療育園とは、児童発達支援事業所の一つです。
児童発達支援事業所には自治体が運営している公的な施設と、民間が運営している施設があります。
ぱんタは幼稚園復帰するまでの間、自治体が運営している療育園に通いました。
そして、幼稚園復帰後は民間が運営している児童発達支援事業所に通いました。
ちなみに、令和元年10月から幼児教育・保育の無償化制度がスタートしています。
児童発達支援事業所も無償化制度の対象でしたので、就学前までの費用はかかりませんでした。

ただし、給食代やおやつ代は払いました。
参考資料:幼児教育・保育の無償化|こども家庭庁
また、児童発達支援事業所はいずれも定員が限られているため、申し込みから入所できるまでに時間がかかることがあります。
ぱんタの場合は、年度途中からの入園でしたが、たまたま空きが出たので、待機時間なく入れました。

定員の枠の空きが出るまで、数ヶ月待った方もいるようです。
療育園で自由遊びを体験したぱんタの様子。
いよいよ、療育園の見学の日になりました。
緊張しながら療育園に入ると、やさしそうな園長先生が出迎えてくれました。
まずは、個室に案内され、自己紹介と現状の困りごとや心配ごとを簡単に話しました。
そして、療育を行っている部屋へ、園長先生と一緒にぱんタを連れて移動しました。
ちょうど自由遊びの時間中でした。
15組くらいの親子がいて、友だちと一緒に遊んでいる子がいたり、好きなおもちゃでお母さんと一緒に遊んでいる子もいました。
初めての場所でどうしていいか分からず固まっているぱんタに園長先生は車のおもちゃを出してくれました。
車のおもちゃが気に入ったぱんタは、部屋の隅で車のおもちゃを一列に並べ始め、並べた車を寝ころびながら眺めて楽しんでいました。
しばらくすると、療育園の先生が大きな布をもってきて部屋に入ってきました。
周りの子どもたちは、すぐ布に気づいて、先生の周りに集まり始めました。
そして、先生のかけ声に合わせてみんなで楽しく遊んでいました。
楽しそうな様子にいっさい興味を示さず、楽しそうな声に全く反応せず、車をただ眺めているぱんタ。
そんなぱんタの様子をみて改めてショックでした。

ぱんタが友だちと一緒に遊ぶ姿を見ることはないのかな…。
ぱんタになんて声をかけていいかもわからず、複雑な心境でぱんタを見ることしかできなかったふたハ。
園長先生はぱんタにみんなの方へ行くように促すことなく、ぱんタが遊んでいる様子をほほえみながら見守っていました。
ぱんタが一列に並べた車のおもちゃをただただ眺めて、自由遊びが終わりました。
療育園で朝のあつまりを体験したぱんタの様子。
先生のかけ声で、周りのみんなはおもちゃを一斉に片づけ始めました。
そして、次はぱんタの苦手な朝の集まりの時間です。
ぱんタが部屋から飛び出していかないか、ひやひやしましたが、初めての場所でまだよく分かっていない様子でした。
その場で立ち尽くし、何もしないうちに体操や親子遊びが終わりました。
次に、部屋の隅に積まれていたイスを子どもたちが自分で持ってきて、決められた位置に一列に置いて座りました。
ぱんタが逃げようとしているのを、なんとか抱っこをしながら引きとめて、私がイスを持って列の端に置きました。
ぱんタはイスには座りませんでしたが、私が抱っこをしながらイスの近くにはいてくれました。
私は、療育園は発達に心配のある子ども達が集まる場所だから、ぱんタと同じように参加できない子ども達が多いと思っていました。
しかし、療育園の子ども達が座って歌を歌ったり返事をしたり、先生の話を聞いている様子に驚きました。
それと同時に、ぱんタがここでやっていけるのか不安に感じました。
園長先生の一言で療育園に通うことを決意するふたハ。
朝の集まりを体験して、最初に案内された部屋にもどってきたふたハとぱんタ。
席につくと、園長先生に「見学してみてどうでしたか?」と聞かれました。
それに対して、「ぱんタもイスに座れるようになりますか?」と、園長先生に質問したふたハ。
すると、「座れます!」…と園長先生は私の目をしっかり見ながら、はっきり答えてくれました。

療育園に対する不安とかぱんタの発達のこととか、いろいろ悩んでモヤモヤしていたものが一瞬晴れたように感じました。
「さっき座れていたみんなも、始めの頃は座れなかったのよ。だから、絶対に座れるようになります。」
園長先生は続けてやさしく答えてくれました。
この瞬間、療育に通うことを決意したふたハでした。
あとがき。
ぱんタが通ったのは親子通園型の療育園でした。
そのため、私もぱんタと一緒に9時くらいに登園して、ぱんタと一緒に療育のプログラムに参加して、14時に降園する生活を2年間過ごしました。
週5日登園を希望して、行ける日はできる限り療育園に通いました。
仕事はしていませんでしたが、過酷な2年間でした。
療育園の見学をした時は、まだ親子通園の大変さを知らなかったふたハ。

今、あの時と同じように通えるか?…と聞かれると自信ないです。
しかし、たくさん療育園に通ったことで、ぱんタの成長をたくさん得られました。
とはいえ、無理をしすぎて自分自身の身体や心がこわれてしまっては元も子もありません。
登園のペースを週1、2日に調整したり、単独通園型の療育園を検討するなど。
選択肢はたくさんあるので、自分のできる方法を見つけてみてくださいね。

見学には必ず行きましょう!