ASD(自閉スペクトラム症)の特性をもつわが家の息子は、現在小学2年生です。
息子が1歳を過ぎたころから、育てにくさや周りの子たちとのちがいを感じるようになりました。
保健センターや子育て支援センターで相談を重ね、息子が3歳のときにたどり着いたのが「療育園」。
しかし、療育園が「児童発達支援事業所」の一つだと知り、「放課後等デイサービス」という言葉を初めて耳にしたのは、療育園を卒園間近のころでした。

「児童発達支援」「放課後等デイサービス」って何だろう?
そして、小学校入学が近づく中で、就学相談と並行して放課後等デイサービス探しを始めました。
当時はわからないことばかりで、「息子に必要なのか?」「どうやって選べばいいのか?」と、正直不安でいっぱいでした。
しかし、複数の事業所を見学して、息子が安心して過ごせる場所に出会えました。
今思うと、就学前に放課後等デイサービスとつながっておいたことが、小学校生活のスタートをスムーズにしてくれたと感じます。
この記事では、放課後等デイサービスの選び方のポイントを、わが家の実体験をもとにお伝えします。
わが家が「放課後等デイサービス」を考えたきっかけ
わが家の息子は3歳でASDの診断を受けました。
発達のペースはゆっくりで、こだわりが強く、コミュニケーションが苦手なタイプです。
それでも、療育園や家庭でのサポートを重ねるうちに、年長の頃には幼稚園に戻り、少しずつ集団生活にもなじめるようになっていきました。
発達がゆっくりな息子の就学への不安
しかし、小学校入学を控えたころ、期待と同じくらい、心の中には不安も広がっていました。

集団の中で落ち着いて授業を受けられるのか…

先生の話を理解して行動できるかな。

友だちがいない息子…放課後の時間をどう過ごすのか。
特に、息子は環境の変化にとても敏感です。
年少で幼稚園に入園したときは適応できず、癇癪(かんしゃく)をおこす息子に対して、どう対応すればいいのか分かりませんでした。
その結果、私は心身ともに余裕をなくしてしまいました。
その経験がトラウマのように残り、小学校への環境変化をスムーズに乗り越えられるのか…強い不安を感じていました。
児童発達支援から次のステップへ
息子が最初に通ったのは、親子通園型の療育園(=児童発達支援事業所)でした。
そこでは、未就学児を対象としており、日常生活や集団行動の基礎を身につけるサポートをしてもらいました。
さらに、親子で一緒に活動しながら、私自身も息子との関わり方を見直すきっかけになりました。
「焦らず、子どものペースで関わることの大切さ」を学べたのは、療育園のおかげです。
しかし、幼稚園への移行にともない、療育園を卒園することに。
息子への支援が途切れてしまうことに大きな不安がありました。
幼稚園への移行後の息子は、集団活動に少しずつ参加できるようになりました。
ただ、コミュニケーションの難しさや手先の不器用さから、困る場面も多くありました。

小学校生活では、もっと困る場面が増えるかもしれない…

今のうちから、放課後等デイサービスにつながっておく方が安心かも。
そこで、就学に備えて、放課後等デイサービスを探すことにしました。
児童発達支援と放課後等デイサービスのちがい
「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」はどちらも発達に特性のある子どもを支援するための福祉サービスです。

「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」は何がちがうの?
ここでは、「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」を実際に利用して感じたそれぞれのちがいをまとめました。
対象年齢のちがい
わが家の場合、就学前から次の支援につなげておきたかったので、児童発達支援と放課後等デイサービスの両方を行っている施設を探しました。
利用目的のちがい
現在、息子は放課後等デイサービスで、個別学習や集団活動を通して「友だちとの関わり方」や「先生の話を聞いて行動する力」を学んでいます。
年長から通い始めて3年目になりますが、楽しく通っています。
利用料金のちがい
どちらのサービスも、自治体が発行する「通所受給者証」を取得すれば、自己負担は原則1割です。
ただし、障害福祉サービスの自己負担には所得に応じた月額上限が設定されており、その金額を超えて支払うことはありません。
「児童発達支援」「放課後等デイサービス」利用者負担上限額(令和7年度11月時点)
| 世帯区分 | 負担上限月額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯(所得割28万円未満)※収入が概ね890万円以下の世帯 | 4,600円 |
| 上記以外の世帯 | 37,200円 |
さらに、2019年10月1日からは3歳〜5歳の障害のある子どもに対し、児童発達支援等の利用者負担が無償化されました。
そのため、息子も就学前の児童発達支援は無料で利用できました。
ただし、給食代・おやつ代・教材費などが別途かかる場合もあるので、見学の際にあらかじめ確認しておくと安心です。
参考資料:利用者負担の仕組み|こども家庭庁
参考資料:就学前の障害児の発達支援に関する住民・事業者向け説明資料

自治体や制度の改正により、利用条件や金額は変更になることがあります。
最新情報は、利用を希望する施設や自治体窓口で必ず確認しましょう!
わが家の「放課後等デイサービス」選びのポイント
療育園のときは、自治体の相談機関や子育て支援センターで相談を重ねるうち、自然な流れでつながることができました。
でも、息子が療育園を卒園することになり、自分で「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」について調べた時に、想像以上にたくさんの事業所があり、正直おどろきました。

どこを選べばいいのか分からない💦
そこで、市役所で「相談支援事業所」を紹介してもらい、「放課後等デイサービス」の見学を重ねることで、息子に合うポイントが見えてきました。
相談支援事業所とは…
障害者総合支援法に基づいて設置された施設で、障害のある方やそのご家族からの相談に応じ、必要な情報提供や助言を行います。単なる相談窓口としての機能だけでなく、適切な福祉サービスにつなげるためのケアプラン(サービス等利用計画)の作成や、関係機関との連絡調整なども担っています。
利用目的に合っているか
放課後等デイサービスは、事業所によって得意とする支援のタイプが異なります。
まず、どんな事業所があるのか、相談支援事業所の担当者に教えてもらった内容をまとめました。

見学の前に確認しましょう!
主な事業所のタイプ(わが家の自治体例)
わが家の自治体では、数年前はこの3タイプが主流でした。
ですが、ここ数年で、わが家の周りでもいろいろな事業所がたくさんできています。
また、フットサルや音楽療法などを取り入れた新しいタイプの事業所も増えており、選択肢の広がりを感じます。
どんな目的で利用するのか整理する
息子の場合は、「友だちとの関わりを増やしたい」「小学校生活を楽しめる力をつけたい」「放課後に安心して過ごせる居場所がほしい」という目的がありました。
そのため、わが家では療育タイプの事業所を選びました。

目的を明確にして、事業所を選ぶ際のミスマッチを防ぎましょう!
息子が楽しく通える場所かを見極める
そして、息子自身が「行きたい」と思えるかどうかも大切なポイントです。
どんなに支援内容や設備が整っていても、息子が居心地よく過ごせなければ続きません。
複数の事業所を見学する
事業所によって、活動内容や雰囲気はまったく違います。
見学の際は、スタッフさんや子どもたちの様子、活動の流れをしっかりチェックするのがおすすめです。
わが家は、2か所の事業所を見学しました。
1つ目は、20人ほどの子どもたちが1つの広いスペースで過ごしていました。
療育園の先輩親子も利用していて、遊びを通してルールや順番を学べ、集団活動に力を入れていると事前に情報を聞いていたので、見学する前は第一希望の事業所でした。
しかし、実際に行ってみると息子はにぎやかな雰囲気に圧倒され、部屋の隅でずっと時計を眺めて落ち着かない様子でした。
2つ目は、10人ほどの小規模な事業所で、部屋がいくつかに分かれ、それぞれが落ち着いて過ごせる雰囲気でした。
1人で遊びたい子には職員さんがそっと寄り添い、友だちと一緒に遊びたい子には積極的に関わってくれていました。
息子は入室してすぐに遊びたいものを見つけ、自分のペースで落ち着いて過ごしていました。

息子の様子を見て、2つ目の事業所に即決しました!
保護者からの事業所評価をチェック
放課後等デイサービスには、「支援の質の向上」を目的としたガイドラインが定められています。
そのため、各放課後等デイサービスのHPには「事業所評価の集計結果」が公開されています。
「職員の対応」「環境」「活動内容」など、保護者からのリアルな評価が確認できるので、参考になります。
参考資料:放課後等デイサービスガイドライン(概要)
送迎の有無を確認する
また、保護者としては、送迎サービスがあると、通所の負担が少なくありがたいです。
自宅だけでなく、学校や園に直接迎えにいってくれる事業所もあるので、契約前に確認しておくのがおすすめです。
特に息子が1年生のころは学校まで登下校の付き添いをしていたので、送迎してもらえて本当に助かりました。

私の印象では、療育型・預かり型の事業所は送迎対応していることが多いです。
ご家庭によって重視するポイントはさまざまですが、わが家の体験が参考になればうれしいです。
放課後等デイサービスを探すときの困りごと・注意点
放課後等デイサービスを利用したいと思っても、いざ探し始めてみると戸惑うことが多くありました。
自分で情報を取りにいかないと教えてもらえない
放課後等デイサービスの情報は、ある年齢になったら案内が届くわけでもなく、病院で診断を受けたからといって主治医が教えてくれるわけでもなく…。
待っていても誰かが教えてくれるものではありません。
私の場合は、療育園に息子と一緒に通っていたころ、先輩ママたちの「事業所どうする?」という会話を耳にしたのが、「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を知るきっかけでした。
そこから療育園の先生に相談し、市役所で事業所を探すための相談支援事業所を契約するとよいと教えてもらいました。
さまざまな福祉サービスや支援制度があるのに、自分で情報を取りにいかないと支援の存在に気づけない現状があることを実感しています。
どのタイミングで利用を始めるか悩む
放課後等デイサービスを利用するタイミングは、家庭によって本当にさまざまです。
息子が療育園に通っていた頃、すでに複数の事業所を利用している親子もいました。
ただし、同じ日に複数の「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」を利用することはできないので注意が必要です。
また、息子が年中の頃、幼稚園への移行を少しずつ始めていた時期に、周りの子どもたちが次々と新しい事業所の利用を始めていくのを見て、焦ってしまったことがありました。

私も探した方がいいのかな…
しかし、療育園の園長先生に相談したところ、「早ければいいというものではない。焦らなくて大丈夫。」と声をかけてもらいました。
確かに、息子はちょうど幼稚園への移行で頑張っている時期でした。

まずは幼稚園に慣れてから事業所を探そう!
そのため、わが家は年長になってから改めて動くことに決めました。
年長の春に幼稚園へ戻り、その後、事業所を探して夏休み前に1つの事業所を決定。
夏休み中に少しずつ慣らし、幼稚園からの帰宅後に週2日利用でスタートしました。
焦らず、息子のペースを大切に進められてよかったと思っています。
人気の事業所は早めの見学が必要な場合もある
ただし、地域によっては、放課後等デイサービスの数が限られている場合もあります。
さらに、人気の事業所は早い段階で定員が埋まってしまうことも少なくありません。
わが家も、行きたいと思っていた事業所が満員で、見学すらできずにあきらめた経験があります。
そのため、就学前に利用を考えている場合は、年中のうちから情報収集を始めておくのがおすすめです。

年度の切り替わりで利用している子どもたちの環境が変わる4月頃は空きが出やすい時期です!
就学前に放課後等デイサービスとつなぐメリット
「放課後等デイサービス=小学生から利用するもの」と思っている方も多いかもしれません。
ですが、わが家では就学前からつながったことで、穏やかな小学校生活のスタートができました。
小学校入学後の「環境変化」がスムーズだった
小学校への入学と放課後等デイサービスの利用を同時に始めてしまうと、新しい環境に慣れるのに時間がかかる息子にとっては大きな負担になると思いました。
そこで、わが家は「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」の両方を行っている多機能型事業所を探しました。
このタイプの事業所なら、就学のタイミングで新しい事業所を探す必要ありません。

慣れた場所でそのまま通い続けることができます!
環境の変化に敏感な息子にとって、変わらない安心できる居場所があることは、とても大きな安心材料になったと感じています。
また、就学前に支援員さんやお友だちとの関わり方を練習したり、小学校生活に向けて自分でできることを増やせるようにサポートもしてくれました。

小学校へのステップの負担が軽くなりました!
支援者との連携で、おやこともに安心できる
さらに、就学前から放課後等デイサービスとつながっておくことで、小学校に入学してからの支援者との連携がスムーズでした。
息子が通っていた放課後等デイサービスには、地域の小学校の子どもたちが多く在籍しています。
そのため、息子が通う予定の小学校や支援級の様子を教えてもらえたり、入学前にどんなことを練習しておくとよいか具体的なアドバイスをいただけました。
小学校入学後も、つまずいたことや悩んだことを気軽に相談でき、私自身の安心感につながっています。

職員さんと一緒に、課題への対策や支援方法を考えることができ、とても心強いです!
もちろん、息子にとっても、特性を理解して温かく受け止めてくれる支援員さんがいることで、「学校=がんばる場所」「デイ=安心できる場所」と自然に切り替えられるようになりました。
これまでに大きく崩れることなく学校生活を送れているのは、放課後等デイサービスの支えがあるおかげだと感じています。
まとめ|就学前につながり安心できる小学校生活へ
就学前の放課後等デイサービスを選びにおいて、わが家が一番大切にしていたポイントは、子どもが安心して過ごせる場所かどうかです。
どんなに評判の良い事業所でも、子どもが落ち着かず楽しめなければ、長く通い続けることは難しいです。
しかし、子どもが「ここ楽しい!」「また行きたい!」と思える場所であれば、自然と意欲が生まれ、少しずつ成長できると感じています。

焦らず、見学や相談を重ねながら。
お子さんが笑顔で通える放課後等デイサービスを見つけていきましょう!



